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2003年度地方財政対策の特徴と今後の課題

2003年02月06日
奈良女子大学 澤井勝

1、はじめに

(1)最大の地方財源不足
(2)予想以上の国税、地方税の減収
(3)デフレ経済は脱却できるか
(4)最大の国債発行と国債依存度
(5)国庫補助負担金は削減できず増加

三位一体改革の芽だしとその評価
地方分権推進会議における論議、地方債の元利償還金の考え方
(6)地方交付税の財源保障機能の縮小と規模の抑制(閣議決定)
(7)税制改革とその方向
不動産取得税の減免
法人事業税への外形標準課税導入
配偶者特別控除制度の縮減
(8)地方制度改革の本格化のもとで
(9)交付税特会借り入れから赤字地方債へのシフト
(10)地方分権改革の方向は分岐する傾向
(11)赤字地方債は最大規模に
(12)地方財政計画の縮小
職員定数
単独建設事業
(13)「銀行税」に東京高裁判決

2、地方財政をめぐる状況

(1)経済財政諮問会議の骨太方針第二弾

いわゆる三位一体改革
1)まず国庫補助負担金の縮小・廃止
2)税源移譲など一般財源の付与
3)地方交付税の財源保障機能の縮小、制度の見直し

(2)第27次地方制度調査会(会長、諸井虔、副会長、西尾勝、専門小委員会委員長、松本英昭)

1、基礎的自治体の再定義 町村は原則として市に
2、都道府県の合併、道州制

(3)地方分権改革推進会議(西室議長)の役割

(4)03年度政府予算案

81兆7891億円で0.7%増
税収は41兆7860億円、107%マイナス(先行減税1兆5440億円含む)
公債金収入は36兆4450億円 公債依存度44.6%
 うち建設国債 6兆4200億円
 うち特例公債 30兆250億円

(5)2003(平成15)年度地方財政対策

1、最大規模の地方財源不足

(1)通常収支の不足         13兆4500億円
税収(地方税、国税)の落ち込み 歳出特に公債費の増大 その補填措置 
1)地方交付税の増額 5兆7400億円
1、既往法定分     1900億円
2、臨時財政対策分 5兆5400億円
2) 臨時財政対策債 5兆8700億円
3) 財減対策債   1兆8400億円
(2)恒久的な減税に係る補填措置    3兆2400億円
1) 地方税の減収 1兆8100億円程度は国のタバコ税の一部移譲、法人税の交付税率の引き上げ、地方特例交付金
2)国税の減税による地方交付税の減 1兆4300億円
 交付税特会の借入金で元利償還は国と地方が折半
(3)平成15年度税制改正における先行減税の減収補填
1) 地方税減  2400億円は減税補填債
2) 地方交付税減  4500億円は交付税特会借り入れ 後年度地方税増収で補填する
2、国庫補助負担金の見直し
 ・義務教育等経常経費系統
(1) 義務教育費国庫負担金 共済長期の国庫負担金 2200億円
(2) 在宅福祉事業費補助金 200億円程度
(3) 一般財源化に対する措置
1)地方特例交付金の増額 1200億円(国の一般会計から)
2)地方交付税の増額   1200億円
    交付税特会の借り入れ金、その償還費の4分の3は国が負担
    一般財源化の8分の7を国庫負担にする。
・市町村道整備に係る国庫補助負担金の見直し
(1) 市町村道建設費国庫負担を縮減、補助対象経費を限定
(2) 高速道路を整備するための国と地方の負担による直轄事業を導入
(3) 上記の財源として900億円を措置する。
1)自動車重量譲与税(市町村に譲与)の譲与割合を1/4から1/3に
2)地方道路譲与税の都道府県、市町村間の配分を見直す
3、地方交付税の圧縮 18兆700億円程度 1兆4800億円減 7.5%減
    臨時財政対策債を考慮すると23兆9400億円程度
(1)地方交付税の法定率分  10兆6100億円
(2)一般会計における加算額  5兆7800億円
     既往法定分   2400億円
     臨時財政対策分 5兆5400億円
(4)交付税特会借入金(新規分) 1兆9500億円
   恒久的減税の交付税跳ね返り
     先行減税の交付税跳ね返り
     国庫補助負担金の一般財源化
(5)交付税特会借入金償還
   平成14年度補正対策の交付税特会借り入れ分(4/の1)
(6)交付税特会借入金支払い利子 6200億円
(7)特会剰余金の活用     4200億円
4、地方債      総額15兆700億円程度  19.2%増
(1)臨時財政対策債     5兆8700億円
(2)減税補填債         6900億円
(3)財源対策債       1兆8400億円
(4)通常債         6兆6600億円
5、地方税制度改正
(1)法人事業税への外形標準課税の導入
1、対象法人は資本金1億円以上
2、税額 所得割額+付加価値額+資本割額
3、税率 所得割    7.2%
    付加価値割  0.48%
    資本割    0.2%
現行は所得の9.6%を7.88%に
4、平成16年4月1日以降の事業年度から
(2)不動産取得税 15年4月1日から3年間4%を3%に軽減
(3)特別土地保有税 15年度以降課税を停止
(4)事業所税  新増設にかかるものを15年3月31日で廃止
(5)道府県民税配当割、株式譲渡益割の創設(比例税で源泉徴収、申告不要)
   16年1月1日から
   税率5%(一定期間は3%)
   市町村に交付金(3分の2程度)
(6)配偶者特別控除の上乗せ部分を廃止(17年度分以降の個人住民税)
(7)地方たばこ税の税率引き上げ
(8)地方道路特定財源
   特例措置(5%および50万円)の5年延長
   軽油引き取り税の特例の5年延長
   自動車重量譲与税の譲与割合を3分の一に(現行4分の一)
(9)自動車税のグリーン化 1年延長
(10)自動車取得税 低公害車特例 低PM車特例など
(11)PFI事業に係る特例措置創設 一般廃棄物処理施設の不動産取得税、固定 資産税の課税標準2分の一軽減など
(12)都市再生特別措置法に係る特例措置の創設 不動産取得税の5分の一軽減など(認定民間都市再生事業) 固定資産税の2分の一軽減
(13)ゴルフ場利用税の非課税 18歳未満、障害者、70歳以上、学生など

6、交付税特会借入の廃止と赤字国債、赤字地方債

7、地方の借入金残高 48兆5000億円程度(02年度末46兆7千億円)

8、三位一体改革の行方
  • 最悪のシナリオ 交付税の財政調整機能への縮小(ただし調整機能の意味は多義的でありうる)、その財源を地方税に振り替え、国庫補助負担金の縮減は交付税措置という一般財源化
  • 義務教育教職員給与費の一般財源化と政令市への移管(給与費負担者)と学級定数などの規制緩和との組み合わせ
  • 建設事業費の起債と元利償還金の交付税参入の考え方
9、普通建設事業費の削減
  • 単独事業費は5.5%減の14兆8800億円(4年連続)
  • 投資的経費は5.3%減の23兆2900億円
10、人件費では
  • 職員定数を10,368人減 18年度までに4年間で4万人以上削減
     警察等は6300人増、一般職等16600人減
  • 給与関係費は1.1%減の234,500億円
11、一般行政費の削減
  • 単独事業0.3%マイナス
12、財政構造計画と中長期財政計画
  • 財政構造改革方針の策定を
  • まちづくりの理念をより明確に
(1) 高齢社会と少子社会、そして地域福祉計画とまちづくり
(2) 自助、共助、公助のパートナーシップ(行政と市民、事業者の)
(3) 循環型社会の構築、サステイナブル・ディブロップメント
(4) コンパクトシティと分散型都市、分権型都市の創造
  • 課税自主権の活用と説明責任、政策評価と市民参画
  • 市民公募債の展開と厚みのある市民的ファンドの形成
  • 組織のフラット化、ネットワーク化

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