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1999年度地方財政対策の特徴と問題点
  空前の地方財源不足と借入金
  99年度の地方財政計画とその特徴

(初出:『自治総研』1999年2月号)


はじめに 来年度の地方財源不足は13兆円
地方財源不足は借入金で  交付税は1.9%増の20兆8600億円
減税の影響は地方税が1兆700億円 交付税が1兆5300億円
地方特例交付金の創設
介護保険関係職員8000人増
地方の借入金残高は176兆円
公債費負担対策
社会福祉系統費は単独で4兆900億円
地域活性創出プランの創設
新しい公共性とパートナーナーシップの構築を

はじめに
 昨年の夏以降、大阪府、東京都、神奈川県、それに愛知県というわが国の大都府県において、あいついで財政危機宣言が出された。これらの団体では98年度決算で、ほぼ25年ぶりに実質収支の赤字を計上することになろう。そして他の道府県でも、公債費の増加に主として起因する財政の硬直化が著しい。政令指定都市も同様である。市町村も従来、財政の弾力性を失ってきた団体を中心に、赤字決算に追い込まれるところが増加しつつある。この状況を見ると、地方財政にとっては戦後三回目の危機だというべきである。

 今回の地方財政危機の特色は、富裕だとされてきた大都市部の都府県で最初に危機が表面化したところにある。他の地域の県や市町村では、大都市部ほど危機感がない。それは、地方交付税というバッファーがあるからである。もっともこの地方交付税は、98年度の当初の場合でも、その11.1%が借入金で賄われ、三次補正後だと22.4%が交付税特会の借入金となっている。そして99年度当初ではこの比率は44.3%に達してしまった。

 つまり、現在の地方税制度の弱点が、特に法人税収に恵まれ、住民税の所得割も高水準の都府県において、地方交付税というバッファーの恩恵の小ささから、集中的に現れたと見ることができる。さらに公債費負担や繰出金などの急増から、経常収支比率が上昇するという財政の硬直性がその底流にある。人件費の比率の高さは、警察や教育行政における大都市圏固有の事情も手伝って、財政への重圧となっていることも事実である。

 つまり歳入面での制度的な矛盾が、歳出面での構造的問題に媒介されて、98年に明確になった平成第二次不況という経済状況下で大きなクレバスとなって露呈したのである。

 こういう財政危機のもとでの99年度地方財政対策と地方財政計画は、空前の財源不足を前提にして策定された。

来年度の地方財源不足は13兆円に
 地方財政対策とは、毎年度の政府予算の編成に先立って行われる財政政策のひとつである。政府が予算を編成するに当たって、問題になるのは、各省庁ごとに行われる、補助事業がどの程度になるか、地方単独事業をどれほど組み込むか、直轄事業をどれだけ伸ばすか、新規事業をどうするかといった事業の査定である。この折衝の結果、翌年度に政府の予算という形で表現される財政政策を実行するためには、どの程度の地方の財源が必要かが積算されてくる。

 また、地方財政としては、経常経費(人件費、公債費、扶助費など)がどの程度伸びるか、建設事業をどの程度組むか、といった一般行政経費と投資的経費の伸びの推計とそれに必要な一般財源が積算される。

 このふたつの積算作業から、来年度に必要と考えられる地方一般財源の額が浮かび上がってくる。つまり経費の積み上げから、その経費を賄うべき財源、特に一般財源の額が推計されることになる。

 この必要地方一般財源に対して、地方税や地方交付税などの一般財源の歳入が現実にはどの程度になるかが推計される。この要因は、第一に経済成長率であり、第二には、減税などの税制改革である。そして交付税制度の変更があるかどうかも大きい。

 このような計算の結果、地方財源の過不足の見通しが出てくるわけだが、1994年度以降は、後掲の第一表に整理したように毎年度、地方財源不足の状態となっている。特に来年度は、減税の影響も含め12兆9700億円という空前の規模の財源不足となると見込まれたのである。内訳は、いわゆる通常収支不足分が10兆3700億円、所得税と地方住民税、法人税の恒久的な減税の影響分2兆6000億円。この不足額は、来年度の地方財政計画の規模が、今年度の当初に比して1.6%増の88兆5300億円程度であるから、その14.7%にあたることになる。

財源不足の補填策は借入金で
   交付税は19%増の20兆8600億円

 このような地方財源不足を補填するために、主に借入金で手当することとされた。このように地方財源不足を、借金で賄うのは1975年以降、ここ4分の1世紀にわたってとられてきた政策であり、このこと自体は珍しいことではない。違いは、その規模が大きいという点、そして経済状況が非常に悪いという点にある。

 通常収支不足分10兆3700億円の補填策としては、まず財源対策債という地方債を2兆2500億円増発する。この財源対策債は建設地方債の起債充当率を引き上げて府県、市町村が引き受ける。この元利償還金の一部は、後に地方交付税の基準財政需要額に算入されることになる。

 これに加えて第二に、地方交付税を8兆1200億円増額する。このうち6兆9千億円は、資金運用部から地方交付税特別会計が借入を行う。このうち地方の負担分は、半分の3兆4500億円で、この元利償還金は後に交付税財源から支払いをしていくことになる。残りの3兆4500億円は、国の一般会計の負担での借り入れとなる。

 このほかの交付税の増額措置としては、第三に国の一般会計からの繰入れというかたちでの加算措置が5500億円行われる。これは99年度当初に予定されていた法定加算と2000年度以降の法定加算の一部を合わせたものである。この加算措置は地方・国の負担と関係なく財源不足解消額として直入することとされた。法定加算は、国が負担すべき交付税増額に充当することが96年度以降、慣例化していたものを改めたものという。

第一表 地方財源不足額と補填措置
(億円)
 94年度95年度96年度97年度98年度99年度
地方財源不足58,53069,50086,20058,54454,100129,700
通常収支不足分29,88642,60057,50057,50046,500103,700
減税分(94〜96,98,99)28,64426,90028,700 7,60026,000
地方消費税未平年度化分    12,000  
補填措置
資金運用部からの借入金29,17933,40036,90018,30019,40084,200
4条の2加算など交付税増額1,7601,8004,1382,6003,0005,500
臨時特例加算   4,2351,000 
地方特例交付金     6,400
元本償還繰り延べ1,9794,1924,2654,7146,5006,700
財源対策債9,00015,60020,30019,90018,90022,500
減税補填債16,34614,00016,400 6,2002,700
減収補填債   12,000  
減収の補填(国のたばこ税一部移譲)     1,100
地方交付税(法人税35.8%)     500

 第四に来年度に国の一般会計に97年度にもらいすぎた交付税を返済すべきところ、当面返さないことにした6700億円がある。これを償還方法の変更というが、借金返済の繰延措置で、交付税原資をその分減らさずに確保したことになる。

 この第三と第四の措置は、国の一般会計の負担になるが、この原資は、赤字国債であるといっても過言ではない。赤字国債の大幅増額による中央政府の財政拡大策があるからこそ、国税の減収と減税のもとでも、このような地方財政対策が打てるわけである。

減税の影響は、地方税減が1兆700億円、交付税減が1兆5300億円
 いわゆる恒久的減税については、まず個人住民税の最高税率が、15%から13%に引き下げられる(市町村税10%に下げ、府県税3%は据え置き、所得税は50%から37%に)。これに15%の定率減税(税額控除)、および扶養控除の引き上げ、非課税限度額引き上げが行われる。これらによって地方税の減収額は1兆700億円(市町村税7145億円、府県税3504億円)と見込まれている。この補填策としては、自治省と大蔵省間で次の四点が合意を見た。

1)国のたばこ税の一部の地方移譲 1100億円(410円/千本)を移譲する。
2)法人税の交付税率の引き上げ 500億円(32%を35.8%に、来年度は32.5%)。
3)地方特例交付金の創設 6400億円 交付・不交付にかかわらず、減税による減収額で案分して配布する。財源は国の一般会計から交付税特会にくり入れる。
4)減税補填債によって減収額の4分の1を補填する。

地方特例交付金の創設など
 この減税補填策は、地方側の意向がかなり通ったものとなっていると評価されている。特に、法人税の交付税率の引き上げ、たばこ税の一部地方移譲は、少額ながら財源の制度的な地方移転というかたちを実現している。

 また創設される地方特例交付金も、国の一般会計からの繰入によるから、地方税としての扱いで基準財政収入額にも算入されるが、第二交付税的な、あるいは新譲与税的な財源ということも出来る。特に不交付団体あるいは法人関係税や住民税所得割のウェイトの高い団体に対する、減税による減収の補填策としては、かなり有効であろう。このような特例交付金は、1960年、66年、67年に行われた沿革があり、今回は32年ぶりの復活ということになる。なお、この特例交付金は「恒久的減税」の補填策であるから、税制の抜本的改正が行われるまでは存続する見通しである。

 これらを財源の地方移転と捉えるとして、不十分ながらこのような改正が行われたバックには、地方分権の実現を支える財源の補填という主張があったこと、そしてそれをプロモートする姿勢が政府内部にもあったことは、認めて良いようである。すなわち、今回の地方財政対策は「財源移譲なき分権」「地方への仕事と負担の押しつけ」という批判に対するささやかな応答であるとも見えるのである。

介護保険関係職員8000人増など
 このような将来を見通しての考え方が入っている点は、きちんと見ておかなければならない。例えば公的介護保険制度の導入を柱にする地域福祉関係経費の増額(4兆700億円に)や、介護保険策定等経費のなかに介護保険職員の増員8004人が組み込まれていることなどである。全体として地方財政計画では定数に対して厳しい中での、増員措置はそれなりに評価し、地方自治体の行政改革の議論の中でも生かしていくことが必要なのである。

 もうひとつこの地財対策をバックアップした要因は、98年の夏以降に急激に悪化した都府県財政と、財政危機宣言というパフォーマンスがあることも否めない。

 なお減税による交付税の減収1兆5300億円の補填は、全額を資金運用部からの借入金によって行うこととされた。この半額の7,600億円は国の責任おいて借入を行い、残りの7,600億円は地方の責任において借り入れることとされている。国の負担分の元利償還金については、それに必要な財源を平成13年度(2001年度)以降に、毎年度一般会計から交付税特別会計に繰り入れることしている。

地方の借入金残高は176兆円 国の公債発行残高は327兆円
 これらの各種の借入金に依存した地方財政対策の結果、地方交付税特別会計の借入金を含めた地方財政の借入金の残高は、当然のことながら過去最高の水準となる。すなわち98年度の第三次補正予算の後では、166兆円程度と見込まれているが、これが99年度末には176兆円程度になる見通しとなっている。

 このうち地方交付税特別会計の借入金の残高は、98年度末で21.2兆円(うち地方負担分17.8兆円)であるが、99年度末では29.6兆円に急拡大する。このうち地方の負担分は22.0兆円の見込みとなっている。

 このような借入金の拡大は、後の利子負担を重いものとし、元本返済も大変である。このことは経済成長がマイナスで推移するようだとさらに厳しいことになる。来年度以降の地方財源を先食いすることにもなる。くわえて, 特に現在の低金利状況から、金利の上昇過程に入りつつある現在、金利上昇の影響が直接に交付税財源を圧迫し、府県と市町村の公債費負担を加重することなる。いずれにしても、地方財源不足という状態は今以上に進行するにちがいない。

公債費負担対策
 地方自治体は多かれ少なかれ地域の活性化や政府の景気対策に応じて積極的に事業を展開してきた結果、公債費の負担が急速に重くなってきている。この公債費の負担をいくらかでも軽減するため公的資金(政府資金と公営企業金融公庫)の一部の繰り上げ償還を認めたり、利子の一部に特別交付税で利子補給をするとされた。

 政府資金の繰り上げ償還は、97年度の決算段階で、(1)起債制限比率の過去三年間平均が15%以上、(2)その比率が14%以上の赤字団体か激甚災害の被災団体、であることが要件とされる。資本費負担が著しく高い公営企業を抱える団体も含まれる。繰り上げ償還のできる団体として認定を受けるには、地方債の償還スケジュールを示した公債費負担適正化計画の策定が求められる。なお、認定団体は、原則として3年間政府資金を借り入れることはできない。

 この政府資金の繰り上げ償還の規模は、対象残高2200億円、団体数で140団体程度と見込まれている。政府資金の繰り上げ償還は、従来は大蔵省の強い反対でほとんど認められてこなかったものだが、今回、これに特例が設けられたことになる。ただし、この措置は99年度限りということになっている。

 特別交付税による利子補給は、普通会計が負担している年利7%超の公的資金のうち、5%を超える利子分を対象に行われる。起債制限比率14%以上の団体に適用されるが、繰り上げ償還と同時には申請できない。規模は2900億円、80団体。

 また、公営公庫資金の繰り上げ償還枠を400億円設ける。同時に上水道、工業用水道、都市高速鉄道、下水道の各事業で年利7%以上の債務を抱えた公営企業に認める借り換え債の発行枠を、前年度の340億円から600億円に拡大することも決まった。これらの公庫資金関係は、延べにして590団体に適用される。

社会福祉系統費は単独で4兆900億円、5.1%の増加
 単独事業費は、前年度と同額の19兆3000億円を、地方財政計画に計上する。この中では、市町村や社会福祉法人などが単独事業として設置する介護関係施設の整備については、「介護サービス関連施設緊急整備事業」を新設することが目立つ。1、特別養護老人ホームなどの居室改善(定員増を伴う増改築も含む)、2、30床未満の小規模特別養護老人ホームの新設、3、要介護度の低い高齢者向けの共同住宅整備、4、痴呆性老人向けのグループホームの整備などを対象にして財源措置を行う。

 市町村立施設の場合。事業費の75%に地域整備総合整備事業債(償還費の30-55%を交付税措置)を充当する。残る25%のうち15%については当該年度に交付税措置を事業費補正で行う。

 社会福祉法人立の場合。1、社会福祉・医療事業団などから事業費を借り入れるケースで、都道府県又は市町村が後年度に元利償還金を補助した場合(上限4分の3)、補助金の50%を特別交付税で措置する。2、市町村が事業費を補助するケースでは、市町村の負担分(上限4分の3)の80%について、厚生福祉事業債を認め、償還費の50%を特交で措置することとした。3、事業費の4分の3を都道府県と市町村で分担するケースでは、市町村負担分の80%に厚生福祉事業債を充当し、償還費の50%を特交でそちする。

 また、都道府県財政の悪化にともない、経常収支比率が高い団体などには都道府県の負担分について、充当率75%の厚生福祉施設整備事業債の充当を認める。

 景気対策としては、一般単独事業債の中に8千億円の「臨時経済対策事業債」を創設している。地方財政計画を上回る事業量を確保した団体に振り向けられ、元利償還金の45%を後年度の基準財政需要額に事業費補正で算入する。

地域活力創出プランの創設
 ふるさと創生事業の後継事業にあたるもので、ソフト事業で2500億円、ハード事業で7500億円で、合計1兆円規模となる。この額が地方交付税の基準財政需要額に算入されることになる。

 このうちソフト事業の例として示されているのは、次のような事業である。なおこれらはあくまでも参考事例と見るべきで、政策誘導的であるが、当然ここに掲げられていない事業が展開されて良い。

(1)「地域経済再生費」として普通交付税の基準財政需要額に新たに算入されるもの。

 ・農産物の生産、加工、流通、販売を一貫して事業化する、いわゆる6次産業化事業。
 ・ベンチャー企業の創業、事業化支援。具体的には立ち上がり資金の提供など。
 ・新商品の商品化、マーケティング、目利き認定等に対する支援事業。

(2)「人づくり事業費」として新たに普通地方交付税に算入されるもの。

 ・Iターン、Uターン、Jターンなど地方への移住・定住を促進するための取り組み。
 ・青年・女性等地域住民が有識者、行政側と地域づくり・産業おこしについて意見交換する場をつくる取り組み。
 ・地方公共団体における人材活用(地域活性化のリーダー、マーケティングやデザインの専門家、研究技術者など)および人材育成(先進的事例の学習支援など)。

地域活力創出プランのハード事業
 つぎのような単独事業に対して地域整備総合事業債(いわゆる地総債)を充てる。

(1)地域活力創出事業債の創設。規模は4,000億円。充当率は特別分で75%、一般分で15%となる予定。対象事業としては三つある。

 1 地域経済再生事業で、貸しラボや貸し工場、SOHO入居用の施設の建設。農産物の加工場、集出荷場、商店街施設などの建設事業など。
 2 ひとづくり事業。Iターンなどの移住者向け住宅、農場の整備事業。
 3 広域連携 ふるさと市町村圏基金の造成は充当率90%、総額1000億円程度。その他の公共施設の広域設置など。

(2)すべての人にやさしいまちづくり事業債の新設。事業費は3,400億円程度。

 1 ユニバーサルデザインによるまちづくりで、児童にわかりやすい表示、案内板。
   女性のため駅付近に託児所、ホールに託児スペース、トイレの改造など。
 2 NPO等の活動支援施設の整備。
 3 地域の保険関連施設の整備など(継続事業である)。

(3)地域情報通信基盤整備事業債。事業費は100億円程度とまだ小規模である。

新しい公共性とパートナーシップの構築を
 地方自治体は、地方への抜本的な財源移譲を繰り返し強く求めると共に、自らの歳出構造の大胆な転嫁をはかり、漫然たる財政運営を、中期財政計画のもとづいためりはりのきいた財政運営に転換しなければならない。住民が真に必要なところに、必要なときに、必要な財源を投入できるようなシステムを構築しなければならない。責任説明を果たせるような、緊張した政府活動への転換が求められているのである。

 先にも触れたが、税収の大きな落ち込みを借入金で支えてようやく回っているのが現状である。99年度はさらにこの傾向が深刻化し、将来の財源を大規模に先食いする危険性が高い。それは経済成長が望めないばかりか、マイナス成長がなお続くことも予測されるからである。

 大都市部の地方税は、固定資産税以外は来年度、すなわち99年度の低水準を当面超えることは難しい。地方交付税に依存する地方自治体も、99年度の地方交付税のうち40.4%が借金で構成されていることを直視する必要がある。このような高水準の借入金に依存した行政が、長続きするはずがない。

 いっそう厳しくなる予算制約のもとにあって、歳出構造の転換というかたちでの行政改革が、今まで以上に積極的に取り組まれることが市民からも求められている。地方自治体は、高齢社会への真剣な対応という新しい公共的な需要に応じられる地域社会を創っていく主体のひとつにならなければならない。このような活力ある自治体行政を担うのは、おそらく同時に分権改革を担う新しい自治体職員の層である。そのような職員集団を大量に作り出す仕組みを工夫したい。

 そして、公共性の再度の転換が図られなければならない。公共性というものは官や役場の独占物ではないということが、ますますはっきりしてきている。つまり行政と市民・住民がそれぞれの責任をシェアする、そのようなパートナーシップを構築することが急がれるのである。予算制約に促迫された減量型の行政改革に留まるのであれば、未来への展望はない。行政改革の取り組みは、行政を市民化し、市民が公共サービスを担い、統治の主体になる可能性を広げる、そういった取り組みをもうひとつの側面としてもつように構想されなければならない。それが分権改革を、行政内分権に止めることのない、市民自治の強化に結びつく改革として生かすことにもなるはずである。

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