TOPPAGE地方財政対策と地方財政計画>2011年度地方財政計画と自治体

2012年度地方財政計画の特徴とこれからの課題
  震災復興、税制改革と地方財源確保、地域主権改革

(初出:『自治総研』2012年02月号)

                                        奈良女子大学名誉教授  澤井 勝

はじめに

 

20111224日に2012年度の政府予算案が閣議決定された。一般会計予算は903339億円(前年度当初は924116億円)だが、震災復興のための事業を別枠で計上した「東日本大震災特別会計」37754億円を設けている。また基礎年金国庫負担の財源を確保するための交付公債2.6兆円をこれも一般会計外で発行する。国債収入は442440億円でこれは前年度の442980億円よりわずかに少ないが、国債依存度は49.0%と高くなっている。

 これに先立って同日、「平成24年度地方財政への対応」が決まり、公表された。これは、従来は「地方財政対策」と呼んでいたものだが、こちらも「通常収支分」と「東日本大震災分」とに分けて示された。「通常収支分」はその規模が818700億円程度で前年度比3700億円(0.8%)程度小さい。「東日本大震災分」は震災復興特別交付税6855億円、緊急防災・減債事業6300億円程度である。

通常収支の地方税収と地方交付税などを合算した「一般財源総額」は596241億円で0.2%の増。地方交付税の総額は174545億円でプラス0.5%の増となっている。地方税収は359184億円で、これは1.0%の増である。臨時財政対策債は61333億円で2011年度の61593億円より260億円少ない。これは既往の臨時財政対策債元利償還分、及び臨時財政対策加算に対応する分の合計である。

つまり、東日本大震災の直接事業費を別にして、ほぼ前年度並みの地方財源を確保したという状況である。

 

 このような2012年度の予算編成と地方財政対策には三つの柱がある。一つは、震災復旧・復興事業への取り組みである。この被災地域(青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉の各県とその災害救助法適用市町村、および長野県栄村、埼玉県加須市、久喜市、新潟県十日町市、津南町である)での復旧・復興事業への財源保障の主な柱は、「震災復興特別交付税」6855億円と国庫支出金1772億円(うち震災復興交付金2842億円)である。

 第二は、昨年からの懸案である子ども手当の改正とその財源負担割合の問題がある。これについては、ようやく法定化された「国と地方の協議の場」での議論で、政府の当初案である国1対地方1という案を、厚労省関係の補助金の一部を一般財源化するなどの措置を踏まえ、最終的には国2対地方1とした。

 第三には、直接財政問題になっているわけではないが、これも懸案だった「義務付け・枠付け廃止・緩和」法案も2011年の4月に第一次一括法、8月に第二次一括法が成立したことである。これによって今後、これら一括法の定める国の政省令による基準を条例によって規制するための作業をすすめることが求められる。また、都道府県の事務権限のうちこの一括法によって市町村に移譲された事務をどう推進していくかも問われる。

 そこで以下、この震災復旧・復興への財源措置と地方財政対策、および地域主権改革の進行状況から整理しておくことにしたい。

 

T、2011年度中の追加的地方財政措置と地方制度改革

 

1、3.11以後の追加的地方財政対策

(1)当初の地方財政対策 地方交付税の繰り上げ、特例交付

 3.11東日本大震災の発災後、3月22日に2010年度分の特別交付税759億円を交付。4月1日には、2011年度の普通地方交付税を4月分と6月分を繰り上げ交付した。被災団体の4月の概算交付6213億円、6月分の繰り上げ交付分3553億円を合計した9767億円。

被災団体以外は4日に概算交付を行なっている。

48日には、特別交付税の交付についての特例法が3月末に決まったことから、通常時の交付時期を前倒しし、特別交付税の一部、762億円が配分された。また4日、子ども手当・児童手当地方特例交付金と減収補填地方特例交付金1553億円が繰り上げて交付された(都道府県・市町村分合わせて1553億円)。

 (なお、特別交付税制度については、11年度から特別交付税の割合を6%から5%に下げ、12年度に4%にまで下げるとする見なおしが提案されていた。今回の災害を受けて、特例法によってこれを3年間延期することとした。すなわち、14年度に5%に、15年度に4%に特別交付税の割合を引き下げ、普通交付税にその分、移行する。)

 その後、531日に被災自治体に7781億円の特別地方交付税を6月に特例交付すると発表。68日には2011年度の普通交付税の9月分4409億円を繰り上げ交付した。92日には普通交付税の定例交付2620億円、916日には11月分の普通交付税4506億円の繰り上げ交付を行なった。また920日には特別交付税の第2回特例交付1748億円を実施している。

 

(2)第一次補正予算

2011年度の第一次補正予算案と歳入を裏付ける特別措置法が4月30日の衆院本会議で全会一致で可決され、参議院に送付された。51日から参院で審議され2日に成立している。予算総額は4153億円。道路や港湾などの公共事業に12000億円、仮設住宅の建設に4800億円、がれき処理に3500億円、自衛隊や消防の活動費。この他、災害対応の特別交付税1200億円を増額している。

財源としては主に歳出カットで対応している。まず基礎年金国庫負担金の特会繰り入れの減額24897億円のほか、子ども手当の上乗せ分撤回で2083億円、高速道路料金の1000円もやめて1000億円など。今年度予備費8100億円も投入した。これらによって国債の追加発行は回避した。

このため一般会計の増額は3051億円となり、一般会計の予算規模は927167億円となった。

 

(3)第二次補正予算

725日、2011年度第二次補正予算が成立した。第一次補正予算で足りなかった分を追加するというニュアンスだとされている。総額19988億円。原子力損害賠償法関係2754億円、被災者支援関係費3774億円(このうち二重債務問題対策に774億円を計上)、東日本大震災復旧・復興予備費8000億円、地方交付税5455億円など。この地方交付税のうち4600億円が特別交付税(第一次補正後11624億円となっている)に加算される。また1000億円は2012年度に繰り越される。

財源は前年度剰余金受け入れ19988億円(うち財政法6条剰余金14533億円、地方交付税財源5455億円)となっている。国債の追加発行はない。しかし、決算剰余金14533億円は財政法第6条第1項によって、その2分の1を下らない金額を翌々年度までに借入金の償還財源とすることとされている。このために今回は9年ぶりに特例法で全額を第二次補正予算の財源としたのはイレギュラーで、表面上は国債発行していないが、実際は発行をしていることと変わらない、という批判もある。

 

(4)復興の基本方針

 東日本大震災復興基本法が2011624日に成立し、翌日の25日には東日本大震災復興構想会議が提言「復興への提言―悲惨の中の希望」を出した。これに沿って、729日に政府の東日本大震災復興対策本部が「東日本大震災からの復興の基本方針」をまとめた。

 この「復興の基本方針」では復興期間を10年としている。その当初5年間を「集中復興期間」と位置づけている。復興施策は、@復興の三つの柱として、災害に強い地域づくり、地域における暮らしの再生、地域経済活動の再生、を挙げる。A大震災の教訓を踏まえた国づくり、B原子力災害からの復興、からなる。

 「復興の基本方針」では、復興の事業規模と財源確保についても述べている。復旧・復興の事業規模は国と地方の公費分で、10年間の復興期間に、少なくも23兆円程度と見込んでいる。このうち11年度から15年度までの5年間の「集中復興期間」には19兆円(第一次、第二次補正含む)が必要とされた。集中復興期間における、今後の必要財源は、第一次補正と第二次補正分を19兆円から除いた13兆円と、第一次補正予算に流用された基礎年金の積立財源2.5兆円の補填分を合わせた15.5兆円とされた(811日改正方針)。なおこれらには原子力損害賠償法などに基づく事業者が負担すべき額は含まれていない。

 

(5)第三次補正予算

 管首相の野田首相への交替と、野党との調整や修正などで見込みより大幅に遅れて、1121日、2011年度第三次補正予算が成立した。総額121025億円。災害救助等関係経費941億円、公共事業等の追加14734億円、災害廃棄物処理事業費3860億円、災害関連融資関係経費6716億円、地方交付税(被災地の地方負担分に充てる震災復興特別交付税)16635億円、使い勝手のよい一括交付金(東日本大震災復興交付金)15612億円、原子力災害復興関係経費3558億円。全国防災対策費5752億円、その他の東日本大震災関係経費24631億円(生産・研究開発拠点の立地補助金5000億円、雇用対策3780億円、住宅関係3112億円、節電エコ補助金2324億円、水産業の復旧・復興1576億円、自衛隊施設及び装備品等の復旧1470億円、医療・介護・福祉等1231億円、森林・林業の復興1400億円など)。第一次補正予算の財源とした年金臨時財源の補てんに24897億円。台風12号による災害対策費3203億円。財源は復興債115500億円、予備費減額2343億円など。

 財源としては、復興債が115500億円であり、その他予備費の減額2343億円が主なものである。

 

1130日、この第三次補正予算の災害復旧・復興のための復興債とそのための復興特別税を定める「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」など関連5法が成立した。

復興債の収入をもって充てられる費用の財源は、復興特別税、財政投融資剰余金、JT及び東京地下鉄の株式売却益、国有財産処分収入、その他の税外収入、それに歳出削減とする。

復興所得税は20131月から25年間、2.1%の付加税(13年から37年まで)を課す。(500万円の年収で夫婦二人で年間1600円程度)。個人住民税の均等割を20146月から10年間、年に1000円増税する。復興法人税は11年度税制改正での30%の税率を25.5%に引き下げる措置をとったのち、それに12年度から3年度間、税額に対して10%の付加税を課す。当初案にあった復興たばこ税は課税しない。復興債の償還期限は最初は10年としていたが、自民党案を容れて25年となった。復興税は復興債の償還とともに復興事業広くに充てることができるとされている。

なお、所得税と法人税の復興臨時増税分については、全て別会計処理して復興債の元利償還財源とすることとされ、地方交付税の対象としないこととされている。

補正予算編成の考え方の基本には、被災地方自治体の負担をゼロにすることと、多様な復興プランに対応でき、かつ機動的に対応できることがあった。このために地方交付税とは別枠での「復興特別交付税」16635億円を創設した。第一次、第二次補正予算の地方負担分や、地方税の減収分もカバーするという位置づけ。

また、ハードなインフラストラクチュアの再興のために、縦割りを超えた「使い勝手が良い」補助金として、「東日本大震災復興交付金」15612億円も創設した。540事業について内閣府に一括計上している。ソフト事業も対象となる。

 

(6)第4次補正予算(案)

1220日、政府は第4次補正予算案25345億円を閣議決定。義務的経費(災害対策、生活保護)1406億円、高齢者医療・子育て・福祉等、国連分担金、中小企業資金繰り対策、などの追加経費2331億円、地方交付税3608億円(法定分増収、なおこの交付税は2次補正予算の1000億円と合せ2012年度交付税財源に繰り越す)。財源は税収増11030億円、国債費の不用額12923億円など。20121月招集の第177国会に上程された。

この結果、2011年度一般会計予算の規模は1075105億円にのぼり、過去最大の予算となった。

また、4次にわたる補正予算の単純累計は206511億円となる。この中には第2次、第4次の地方交付税合計4608億円のように翌年度に繰り越される財源も含まれている。また全国防災対策費や環境対応車普及促進費などの直接には被災地への復興事業以外の事業も含まれ、災害復旧事業としては累計で18兆円程度とも言われる。

 

3、修正されようやく成立した「地域主権改革」=「分権改革」3法案

 

(1)28日の参議院本会議で、「地域主権改革」3法案が成立した。第一は「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(第一次一括法)である。児童福祉法など41法律について、施設等の設置管理基準を基本は都道府県条例に委任。協議、同意、許可・認可・承認を届け出などに緩和、廃止。計画等の策定義務づけの緩和も行う。

 そして菅内閣が総辞職した830日に、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(第二次一括法)が参議院本会議で成立している。基礎自治体への権限移譲が未熟児の訪問指導など47法律。義務づけ枠付けの見直しと条例制定権の拡大、協議等の廃止、計画策定義務の廃止などが160法律。全部で188法律(重複分が19法律)となっている。

 

そして4月28日には、「地域主権改革」3法案の二つ目、「国と地方の協議の場に関する法律」が参議院本会議で成立した。官房長官、特命担当大臣、総務大臣、財務大臣、及び地方6団体代表(各1人)を構成員とする。内閣総理大臣はいつでも出席できる。招集は内閣総理大臣だが、議員は総理大臣に招集を求めることができる。協議対象は「地方自治に関する事項」である。

 

また同日の参議院の本会議で、地方自治法改正法が成立。議員定数の上限の撤廃。法定受託事務についても、条例で議会の議決事件として定めることが出来るようになった。行政機関の共同設置が出来る範囲を138条第1項の機関にも拡大する。全部事務組合は廃止する。市町村基本構想策定の義務化を撤廃した。予算決算の報告義務、条例制定改廃報告義務の撤廃、など。直接請求代表者の資格制限の創設。署名活動をした公務員に対する罰則規定を追加するなども。

 

(2)法定された「国と地方の協議の場」

 「国と地方の協議の場」法案はもともとは20104月に鳩山内閣が第174通常国会に提出したものである。このときはまず参議院で審議が行われ、参議院は通過後、衆議院に送付され、525日に趣旨説明が行われたが審議は行われなかった。175176臨時国会では審議されず、2011年の通常国会で審議が再開されものである。

このように店晒しになっていた「国と地方の協議の場」法案が成立したあと、613日に法定後の初会合を開いている。社会保障と税の一体改革における地方消費税の扱いと、東日本大震災の復興について協議した。山田啓二知事会長らは、消費税増税分に地方の取り分を全く考慮しない一体改革の原案のままなら反対する意向を強く表明した。枝野官房長官は、地方の理解をうるためのプロセスが必要とし、修正協議に応じる意向を表明した。なお、年に4回程度開催する予定とされた。しかし、11年中には次のような開催経過となっている。

 

1020日 国と地方の協議の場 第二回会合。2012年度予算概算要求、2011年度第3次補正予算について協議した。

 

1117日 「国と地方の協議の場」「社会保障と税の一体改革分科会」(第1回)を開催。

 

1129日 政府は「国と地方の協議の場」の第二回臨時会合を開いた。小宮山厚労相が、まず先月上旬に示した厚労省案について「やり方に失礼があったならまずお詫びする」とした。その上で子ども向け手当の国と地方の財源負担割合を11とし、年少扶養控除見直しに伴う地方増収分を充てることで地方負担を倍増する厚労省案を提案。山田啓二知事会長らは、とうてい受け入れられず、地方の意見を踏まえて再提案すべきとする共同文書を提出。地方の増収分の使い途を国が勝手に使おうとすることに強く反発している(自治日報)。

 

128日 「国と地方の協議の場」分科会(第2回)が開かれ、税と社会保障の一体改革などについて協議した(自治日報)。消費税増税分の地方への配分について、地方単独事業の取り扱いで大きな開きがある。厚労省は総務省が消費税増税配分の対象とした6.2兆円とした地方単独事業について、消費税増税の配分対象となるのは3.8兆円から5.1兆円程度ととし、さらに2.6兆円まで絞れると主張したが、根拠となる資料を示さず、地方側から厳しく批判される。

 

1212日  「国と地方の協議の場」分科会(第3回)が開かれる。

 

1215日  「国と地方の協議の場」第3回会合。

 

1220日  「国と地方の協議の場」第3回臨時会合。子どものための手当について政府側は、これまで提示していた国と地方の財源負担を11とし、地方の財源負担を倍増する案を撤回。子育て支援交付金の一般財源化などにより国2対地方1とする見直し案を提示した。この一般財源化の中には、国民健康保険の国の定率負担の2%分を都道府県財政調整交付金に移すなども含まれる。地方団体側はこのため、交付税総額の減額などを牽制するため、留保付きで基本的方向性を了承した。

 

山田啓二全国知事会会長はこの会合で次のように提起している。(「第3回臨時会合 協議の概要に関する国会報告書」(内閣官房ホームページから)

(山田全国知事会会長)「 まず、子どもに対する手当の問題については、元々鳩山元内閣総理大臣の全額国費負担の発言を発端とする一連の経緯があり、こうしたことが事態を混乱させたことは否めない。第2回臨時会合においてその点について政府からの釈明はあったが、私どもはこうした経緯については改めて遺憾の意を表させていただきたい。しかしながら、今回の政府案については、この国と地方の協議の場における地方の意見をいろいろと考えていただいた。汗をかいていただきたいということを申し上げたが、その中で本当に政府の皆様には汗をかいていただいたと評価をしている。その上で今の案について、3点確認というか、このことが満たされることが前提であるということを率直に申し上げたい。本来、京都人は余りものをはっきり言わないのだが、ここははっきり言わないと分からないものなので、あえて時間が無い中、その節を曲げて申し上げたい。まず、第1点である。今回の子どもに対する手当についての案は、地方交付税にも需要を算入していく話になる。そして、社会保障費の増加もあるので、こうした提案をしっかりと地方財政計画において考えていくのであれば、地方交付税が増額になっていかなければおかしいということになる。ここで、蓋を開けてみたら、地方交付税が減ってしまったということになったら、私どもからすると、単なるだまし討ちみたいな話になってしまうので、それは絶対にないようにしていただきたいと思うし、そうした観点から言うと、本来は地方財政の折衝をえた形で、本当の意味で地方は判断せざるを得ないということを申し上げる。それをまず御理解いただきたい。

その上で2点ほど申し上げたい。1つは、平成25 年度以降に発生する追加増収分についてである。今、御説明があったが、本来であれば、地方増収分は「子育て分野の現物サービスに活用することとし、その具体的内容は今後検討する」でいいが、それまでにいろいろと修飾語があり、こうしたものを一つ一つ解釈をしていると大変なことになる。端的に申し上げると、平成25 年度以降に発生する追加増収分は、地方が地方に裁量のある子育て分野の現物サービスに活用する。当たり前のことだと思うが、これが前提であるということをまず申し上げる。

もう1点は、国民健康保険の関係である。共同安定化事業のことが書いてある。基本的には、今回の政府案は都道府県の調整交付金を増やす話であるから、都道府県の調整機能の強化が前提になると思うが、一方で今、共同安定化事業については、地方と国が折衝をして、その内容について協議をしている最中である。そして、同時に私どもは、国民健康保険問題については財源負担問題も含めて、根本的な解決を求めている最中である。したがって、今回の決定が、こうした協議や地方側の根本的な解決を求める要望を、一切縛るものではないということが大前提であって、もしもそれがここで一定の結論を得るものであるとするならば、私どもはこの国と地方の協議については、それ以上は応じられないということになることを明言させていただく。」

 

消費税増税分の地方取り分は1.54

       消費税の取り分は国に多くなった

1226日と29日にも税と社会保障の一体改革について、第4回臨時会合、第5回の臨時会合が行われている。この第5回臨時会合においてようやく社会保障改革に関わって、1510月に行われる消費税5%増税分のうち、国と地方の配分割合は国が3.46%、地方が1.54%とすることが決まった。地方の取り分のうち、1.2%は地方消費税、0.34%は地方交付税とする。なお144月段階での3%増税では、地方配分は0.92%とし、うち0.7%分を地方消費税、0.22%を地方交付税とすることも決まった。

現行の消費税5%の国と地方の配分は、まず国税消費税4%、地方消費税1%とした上で、国税消費税の29.5%(消費税5%の1.18%)が地方交付税として地方財源となっている。すなわち合計2.19%が地方財源である。したがって10%の増税後は、地方財源は10%のうち、2.2%が地方消費税、1.52%が地方交付税となり、合計すると10%のうち3.72%が地方財源となる。

とすると、消費税の国と地方の割合は、現行は0.5620.4382.19%÷5%)であるが、増税後は0.6280.3723.72%÷10%)になり、地方の割合が下がることとなる。税源移譲の観点から言えば、0.066分が地方から国に税源移譲されたようにも見える。最初の国の案が、地方の取り分ゼロであったから、よくここまで押し戻したという評価もできよう。しかし方への税源移譲という「地方分権=地域主権」改革の視点からは逆行する税制改革になっていることは指摘しておかなければならない。言い換えれば地方は国の財政再建のために一肌脱いだのである。

これを踏まえて、年明けの16日、政府・与党の社会保障改革本部は、「一体改革素案」として、この国と地方の税源配分割合も含めて正式に決定した。

 

 今回の「国と地方の協議の場」は、会合及び臨時会合が5回、税と社会保障の分科会が3回開かれている。「子どもための手当」の国と地方の負担割合を一方的に11とし、その地方負担増を年少者控除の廃止による地方税収増で賄うとした国側(厚労省、財務省など)の地方無視とも言える当初の対応に対して、地方からの強い反発が協議の場で表明され、国側は内閣官房長官や総務相などが折衝にかなりのエネルギーを割くこととなったようである。

消費税増税分の国と地方の配分について対立した「一体改革」についても同様であった。結果として、子ども手当の財源問題は、全額国負担をという主張をしてきた地方側が折れて、財源負担を国2対地方1とし、交付税の増額や交付金の一般財源化で折り合いをつけた形となった。今後の恒久化についても、基金の設置などまだ大きな問題があるし、「全額国で負担を」という地方側の主張もそのまま残っている。

社会保障における地方単独事業をどこまで税制改革による増収分で充当すべきかについても、国と地方はとりあえず「協議の場」を通じて合意に達したと言える。「協議の場」はそのような立場の違いを踏まえた論議を公開の場で行い、妥協点を探るという働きが期待されている。その性格がはっきりしてきたとは言える。

ただ、消費税の増税分の国と地方の配分の議論は、この増税分が「社会保障財源」として最初から枠づけられていたことで、地方側の主張の幅は制限されていたのである。特に「地方単独事業」をどこまで増税の対象とするかに議論の枠が狭められていたことが制約条件となったのである。

 

(3)再開された地方制度調査会と地方自治法改正の方向

8月24日に第30次地方制度調査会第1回総会が開かれた。これは民主党政権のもとで行財政検討会議(総務相のもとでの制度改正に向けた論点を整理する会議)が設置され、凍結状態に置かれていたものを、この行財政検討会議が六団体からの代表性が薄いことなどもあり、改めて置かれたものと思われる。学識者18名、地方団体代表6名、国会議員6名(衆院4名、参院2名)、会長西尾勝。菅首相からの諮問事項の第一は「地方自治法改正」で特に住民自治、例えば住民投票のあり方、第二は東日本大震災のような非常事態における自治体のあり方について。

1215日に地方制度調査会第二回総会が開催された。2012年初頭に招集される第177国会に向けた地方自治法改正案についての意見をとりまとめた。なおこの改正事項については、行財政検討会議で議論し整理してきたもので、8月以降、地方制度調査会の5回にわたる専門小委員会で詰めてきた経緯がある。

直接請求制度については、(1)署名の収集数の緩和、政令市での収集期間の延長をすべきとし、(2)条例の制定・改廃の対象として税も対象とすることが基本である。実際の条例の改廃は議会の議決によるから議会の活性化にも資する。ただし対象とする地方税の内容、署名数などについて更に検討を加えて制度化を図る。制度化の時期については改めて検討する必要がある。このように直接請求の対象に、地方税条例の制定・改廃請求も入れるかどうかについては、方向性は可とするものの、事実上先送りとなった。

大規模施設の設置に関わる拘束的住民投票制度については、住民自治の充実の観点から意義があるが、廃置分合や長と議会が対立した場合などにも住民投票が考えられるなど、住民投票を実施する場合の対象のあり方や要件について詰めるべき論点があることから引き続き検討すべきである、としている。これも事実上先送りである。

このほか、議会の通年開会の制度化、専決処分の議会不承認の際の長の措置の義務づけの制度化、については可とした。一部事務組合からの脱退の要件緩和も制度化するべきだとしている。

なお、12117日の地方制度調査会の総会では、当面、大阪都構想などの大都市制度のあり方と、東日本大震災を踏まえた基礎自治体のあり方について審議することを決めている。

 

U、2012年度地方財政計画と地方財政の概要

 

 先にも触れたように、2012年度の地方財政計画(そのための「地方財政への対応の概要」)は、「通常収支分」の地方財政計画の規模を818700億円程度、と「東日本大震災分」3955億円とに分けて計上されている。まず「通常収支分」から見ていくことにしたい。

 

1、やや減った地方財源不足額

 2012年度の地方財源不足額は136846億円で、前年度の142452億円より4%ほど減少した。この地方財源不足額は、国の各省庁の予算が確定してくるとそれに対応した地方の一般財源必要額が積算されてくる。一方で、国の経済見通しが固まってくると、所得税や法人税、消費税などの国税と、住民税所得割や法人税割、事業税などの収入見込額が積算されてくる。このようにして積算される、その年度の「必要地方一般財源」と「地方税・譲与税収入と法定地方交付税の見込額」=制度的に与えられた地方一般財源、との差が「地方一般財源不足」である。

 この「地方一般財源不足」を補填しないと、国の予算の執行もできなくなる。このための「補填措置」をどうするかが、ここ20年来、毎年末の国と地方間の最大の争点であり続けている。もともとこの地方財源不足は、国の予算の予算に対応し、また合わせて自治体の地域ごとのニーズに対応して、地方自治体側に生じる行政ニーズに応答できるだけの地方一般財源が、十分には地方に与えられていないところに生じる。そのために生じる国と地方間の財源配分の不均衡と、地方自治体間の財源配分の不均衡を調整するために地方交付税があるわけである。つまり地方交付税は国税の一定割合を割いて、地方一般財源として再配分し、国地方間と自治体間の財政調整をするための「地方財源」なのである。

地方交付税法第6条の32項の定めでは、「毎年度分として交付すべき交付税の総額が引き続き第10条第2項本文の規定によって算定した額の合算額と著しく異なった場合においては、地方財政又は地方行政に関わる制度の改正又は第6条第1項に定める率の変更を行うものとする」としている。この場合の「著しく」とは総額の一割以上、「引き続き」とは「3年以上」を指すとされている。今回も地方財源不足はこの条項に該当し、制度改正か交付税率の引き上げ等を行わなければならないのである。

 この地方財源不足を補填する仕方は、まず地方レベルでの補填措置を行った後(折半対象外)、残った不足額は国と地方が折半して補填する(折半対象分)という一応のルールがある。

@、まず来年度の折半対象外の補填措置は次の6124億円である。

@、まず財源対策債による補填で8200億円。これは一般公共事業などでの起債における「起債充当率」を引き上げることで補填するもので、いわば借金で財源を浮かす(一時的に)。

A、一般会計において、過去の年度において将来の約束として地方交付税に特例的に加算するとしていた加算措置額が9752億円。これとは別枠の加算が1500億円。この両者の合計が地方交付税に加算する額で、合計2252億円となる。

B、交付税特会の剰余金の活用分が5200億円。それと今回、新たに加わったのが「地方公共団体金融機構の公庫債券金利変動準備金の活用が3200億円。これはいわゆる「埋蔵金」の一つである。

C、臨時財政対策債の発行が22972億円。これは今までに発行してきた臨時財政対策債の元利償還のために発行する地方債である。

 

A、折半対象の財源不足額は以上の措置をした残りの76772億円となる。これを国と地方とで折半する。

@、地方交付税増額のための国の一般会計からの臨時財政対策加算が38361億円。

A、臨時財政対策債が38361億円。これは国の一般会計からの臨時財政対策加算に対応して地方自治体が新たに発行する。これで臨時財政対策債の発行予定額は合計61333億円となる。

 

2,地方交付税の総額

 以上のように地方財源不足を補填した結果、2012年度の当初における地方交付税の総額は以下のようになった。総額は昨年度より811億円。0.5%微増して、174545億円である。2007年度より23千億円ほど増加している。

 

@、国税の法定率分等        11733億円

@、国税5税の分の法定率分     11517億円

A、国税決算精算分(07年、08年に国税が当初見込みを割り込んだ分)、08年補正の振り替え加算相当額の減額分          4644億円

B、交付税特会借入金支払利子      ▲2428億円

C、交付税特会借入金償還額       ▲1000億円

D、11年度からの繰り越し分(第二次補正の1000億円、第4次補正の3608億円)

                     4608億円

E、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用(12年度から3年度で1兆円)

                     3500億円

A、一般会計における加算措置     53313億円

@、折半対象以外の財源不足の補填(既往法定分9752億円、特会剰余金活用5200億円)

                   14952億円

A、臨時財政特例加算         38361億円

B、別枠による加算(昨年度からの措置で、財源不足の状況を踏まえた加算)

                   1500億円

 

3、子どものための手当をめぐって

@2012年度以降の「子どものための手当」の支給額は以下の通り。

3歳未満は月額15000

3歳以上小学校修了前まで   第1子・第2子 月額10000

                第3子以降   月額15000

・中学生は月額10000

(所得制限は960万円(夫婦子二人)を基準とし、126月分から適用する。中学校修了まで子ども一人当たり月額5000円を支給する。これは年少扶養控除の廃止に伴う負担増に対応するものとされている。)

・所得制限未満の被用者に対する3歳未満の子どもに係わる手当の費用の15分の7を事業主が負担し、その他の子どもに係る手当の費用を国と地方が21の割合で負担する。都道府県と市町村の負担割合は11とする。

 

A、地方増収分(使途未定分)についての取り扱い

 2010年度の税制改正で所得税・住民税の年少扶養控除の廃止及び特定扶養控除の縮減による地方財政の増収分については、20091223日付けの4大臣合意と20101220日付けの5大臣合意の趣旨に踏まえて、子どものための手当の負担に充てることに加え、次のような国と地方の負担調整を行う。

@、2012年度の取り扱い(増収分5050億円を以下のように充てる)

・子どものための手当の負担増(子ども手当特例交付金1353億円を含む)2440億円

・自動車取得税交付金の減収補填のための特例交付金(500億円)の一般財源化。

・子育て支援交付金など国庫補助負担金の一般財源化315億円、国保の都道府県調整交付金1526億円(給付費の2%分を国定率負担金から移す)。

・特定疾患治療研究事業の地方超過負担解消財源269億円。

A、2013年度以降の地方増収分については、基金設置による国庫補助事業の財源に代わって、恒久的財源として、子育て分野の現物サービスに活用することを今後具体的に検討する、とした。

 

4,一括交付金(地域自主戦略交付金)の拡充

 各省庁の「ひもつき補助金」を地方自治体にとって「使い勝手の良い」「一括交付金」に変えていこうとする「地域自主戦略交付金」については、11年度予算では都道府県向けの9省庁9事業、5120億円であった。12年度予算では、新規事業を広げる共に政令指定都市分を追加して、6754億円としている。

 新規事業分としては、農業・食品産業強化対策整備交付金、農山漁村活性化対策整備交付金、水産業強化対策整備交付金のそれぞれ一部が対象補助事業となった。政令指定都市分では、学校施設環境改善交付金、水道施設整備費補助金、社会福祉施設等施設整備費補助金、工業用水道事業費補助金、社会資本整備総合交付金、循環型社会形成促進交付金などの一部である。

 政令指定都市以外の市町村については、事業のまとまりや集中の程度が大きく異なることから、現在の一括交付金のスタイルでは対象としにくいことを理由にして、先送りの雰囲気であるようだ。

 なお、沖縄については現行の「沖縄振興自主戦略交付金」を拡充して、経常経費及び市町村事業を含む新たな一括交付金1575億円を創設する。内容は(1)沖縄振興特別調整交付金903億円、交付率10分の8、ソフト事業と施設整備事業)、(2)沖縄振興公共投資交付金771億円。

 

 なお、第三次補正予算で組まれた「東日本大震災復興交付金」15612億円と12年度予算の「東日本大震災分」の2842億円も一括交付金であるが、これは災害復旧のための「使い勝手の良い」交付金とされている。しかし、現場ではなかなかそのようにはなっていないようだ。12112日付けの朝日新聞の解説記事「交付金 使いにくい 事業絞られ被災地不満」では次のように指摘されている。岩手県は、久慈市沖合で国土交通省が建設中の湾口防波堤と陸地近くになる「二重防御」で百数十年に一度の津波を防ぐ構想を持つ。しかし、湾口防波堤は完成が2028年以降と16年も先だ。そこで久慈市は自力で防潮堤を9メートルにかさ上げし、8千万円の費用を市の負担がゼロの復興交付金で賄うことにした。ところが復興交付金の40の支給対象事業には防潮堤がない。そこで市は、機関事業の効果を高めるための関連事業には35%まで交付金が使えるのに目をつけた。さほど急がない道路建設などの基幹事業の関連事業としてかさ上げを実施することで費用を確保する。「やらなくてもいい工事をひねりださなければならず、使い勝手が悪い」。

 昨年末の仙台市での自治体向けの説明会で、現地対策本部の担当者は「交付金は省庁ごとに別々に管理することになった」と平謝り。省庁の縦割りによる使い勝手の悪さがあるようだ。

 

5、東日本大震災分

 

@、震災復興特別交付税

2012年度予算の震災復興特別交付税は6855億円で、被災地の自治体に配分される。既に2011年度第3次補正予算で震災復興特別交付税は16635億円が計上されている。この第3次補正分は20123月に決定・交付が予定されている。11年度と12年度の累計額は、年度間調整額1365億円を除いた22125億円である。この復興特別交付税は、補助事業などの地方負担ゼロにすることを狙う。

 この復興特別交付税は、直轄事業・補助事業の地方負担分が3384億円、地方税等の減収補填に1271億円、地方単独事業分が2200億円となっている。

 これとは別に、従来の特別交付税は4月に第一回の特例交付762億円(うち被災団体分705億円)が行われたほか、9月に第二回特例交付1748億円(被災団体分894億円)が行われた。12月には定例交付2406億円が交付されている(うち被災団体分2354億円)。合計、これまでに4916億円(被災団体分3952億円)が交付された。

 

A、東日本大震災復興交付金

 11年度の第3次補正予算で創設された一括交付金で、このときには15612億円であった。12年度予算では2842億円の規模で、文科省、国土交通省。厚労省、農水省、環境省の5省の40事業について、復興庁に一括計上し、被災団体は復興庁に計画を提出。ワンストップで復興庁が対応するとしている。復興庁は11129日に設置法が成立した。12210日に設置が予定されている。

 

6,地方税について

 12年度の地方税については、12年度当初見込みに対して、2532億円、0.8%程度の伸びを見込んだ336569億円を計上している。全体に道府県税が2-6%の増収、市町村税は0.5%の減となっている。道府県民税の所得割が2.5%の増、法人税割11.9%増である。法人事業税は6.7%増、地方消費税3.0%の増と見込んでいる。

 市町村税民税所得割が2.5%増、法人税割が11.8%増だが、固定資産税は4.7%の減としている。

 

7,地方債について

 12年度の地方債計画は通常収支対応分が総額135,396億円で、12年度対比1.4%、1,944億円の減となっている。このうち普通会計分は111,654億円で2.7%の減、公営企業会計等の分が23,742億円で5.2%の減となっている。

8,減少する給与関係経費

 12年度計画の給与関係経費は209760億円で前年度に比較して2934億円の減となっている。この給与費の削減に一番効いているのは職員数の減少で、計画職員数は「地方公共団体における定員純減のとり組みを勘案するとともに、義務教育教職員の改善増等を見込み」10908人の純減とし、235890人としている。計画職員数は90年代後半から一貫して減少してきたものだが、これにマイナス人事院勧告などもあり低下傾向に拍車がかかる状況となっている。

 地方公務員数は「地方公務員定数状況調査」によると、2010年度で281万人となっている。これは16年前の1994年度の328万人より468千人、14.3%の減だ。一般行政部門はこれより大きく、同時期に237千人、20.2%の減である。

 計画人員の減少を上回る各自治体での定員純減が、計画人員減をさらにすすめるという、マイナス・スパイラルに陥っているとも言える。

 ところが仕事は基礎自治体への権限移譲や新しい権限の付与で増加する一方である。これが自治体現場での臨時職員・非常勤嘱託の拡大を後押しているのが現状であり、この現状をきちんと変えていくことが求められている。新しい職務での新しい専門職的スキルを着実に自治体内部に構築するべきなのである。

 

おわりに

 被災からほぼ1年、被災地での復興が遅々としている。第4次補正予算も28日には成立するが、第三次補正予算の執行が滞っているようだ。昨年設立が決まった復興庁は、この127日に28日設置の政令が閣議決定されて、ようやく動き出す。

 一方では、気仙沼市唐桑町舞根地区でのかき養殖再建、南三陸町の馬場中山地区の「なじょにかなるさプロジェクト」や「未来道」など、テレビ放映やネットでの発信で、全国からのボランタリーな支援に支えられた地域からの自立した復興の動きが伝わる。

 しかし、被災した市町村役場で働く職員の疲労感は深い(自治労新聞での鎌田慧さんのルポなど)。メンタルな問題を抱えながら、住民のいらだちのはけ口となる役場職員は、国の施策や県の対応の遅れとの間でなお振り回される。がれき撤去は仙台市内でも昨年末で65%程度だという。土地区画整理事業などはこれからのところも多い。自治体職場の人員の早急な補充と、施策の柔軟で即応的な実施が今こそ必要だが、被災地外では、既に日常に戻りつつある。国会の惨状はその最たるものだ。

 経済のグローバル化のみをターゲットに市場原理を最優先し、売り上げなどの成果で一面的に人を評価する流れが強まっている。過大な自己責任の強調も目に余る。

 北九州ホームレス支援機構の奥田知志理事長は、「双方向の絆」が大事だと述べている。そのような社会の仕組みを改めて再構築することが、自治体という「公」の責任であり、そのための組織改革と新たな専門性の陶冶こそ必要なのである。


                        

 

 

 



Copyright© 2001-2005 Masaru Sawai All Rights Reserved..