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09年緊急雇用対策と地方自治体

             雇用就労政策を自治体の基本政策に

 

奈良女子大学名誉教授

奈良地方自治研究センター理事長   澤井 勝

                            (初出:季刊『自治研なら』09年6月号予定)

 

目次 109年度補正予算まで 254千億円の交付金と交付税の追加 3、緊急雇用促進事業とふるさと雇用創出事業 4、交付税の地域雇用対策費 5、雇用政策は市町村、都道府県に義務づけられている 6、明らかになった貧困大国日本、高い相対的貧困率と非正規労働者の割合 7、雇用労働政策を自治体政策のメインにする、社会的包摂とワークフェア 8、新しい雇用・労働政策の芽 9、おわりに


 

1、09年度第一次補正予算まで

 政府・与党は512日に約14兆円の09年度補正予算を衆議院で可決した。これが成立すると、09年度予算は10247百億円強となり、空前の規模の予算となる。この補正予算のうち、「緊急経済危機対策」関連で「雇用対策」に127百億円が計上されている。主な内訳は第一に、「緊急雇用創出事業臨時交付金」で3000億円。これは08年度第二次補正予算の「緊急雇用創出事業」1500億円を継承するもので、当面は都道府県の基金に積み、市町村へは申請により補助金として交付され、随時執行する予定である。二次補正と合わせると4500億円の規模となる。

 この他に、09年度執行に係るのが、第二次補正での「ふるさと雇用再生特別交付金」2500億円(これも都道府県の基金に積んでいる)である。これらはいずれも県の直接執行分と市町村による執行分とにわかれる。

 そしてこの2500億円の「ふるさと雇用再生特別交付金」事業(11年度までの3年間)は、09年度予算では、地方交付税1兆円追加のうち5千億円の「地域雇用対策推進費」(0910年度の2年間の措置)に継承されるものと考えられる。

 第二は、「再就職支援・能力開発対策」で7千億円の「緊急人材育成・就職支援基金」を中央職業能力開発協会に造成し、職を失って雇用保険の対象からも外れた人を対象に、職業訓練を提供するとともに、生活費を月10万円程度支給する事業である。

 これらの雇用対策とは別に、09年度補正では二つの地方財源対策がとられている。第一に、公共事業である直轄事業負担金と国庫補助事業の地方負担の9割までカバーするものとして、「地域活性化・公共投資臨時交付金」13790億円が計上されている。これでカバーできない部分は100%補正予算債で充当する。

 第二は、「地方公共団体において、地球温暖化対策、少子高齢化社会への対応、安全・安心の実現、その他将来における地域の実情に応じたきめ細かな事業を積極的に実施できるよう」「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」1兆円を創設した。いわば第二交付税的なかなり自由度の高い交付金である。これは08年度の第二次補正予算で計上された6千億円の「地域活性化・生活対策実施臨時交付金」を継承するものだ。

 

2、54千億円の交付金と交付税の追加

09年度補正予算の財源としては、財政投融資特別会計から31千億円、建設国債73千億円、それに赤字国債35千億円を発行して賄う。以上を整理すると次のようになる。

、緊急雇用対策

 (1)、08年度第二次補正予算

    ・緊急雇用創出事業臨時交付金  1500億円

    ・ふるさと雇用再生特別交付金  2500億円

 (2)09年度本予算

    ・追加の地方交付税「地域雇用対策推進費」5000億円

 (3)09年度補正予算

    ・緊急雇用創出事業臨時交付金    3000億円

    ・再就職支援・能力開発対策事業   7000億円

2、臨時地方財源対策

 (1)08年度第二次補正予算

・「地域活性化・生活対策実施臨時交付金」  6000億円

 (2)09年度地方交付税1兆円追加のうち「雇用対策推進費」を除く5000億円

 (3)09年度補正予算

    ・「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」  1兆円

    ・「地域活性化・公共投資臨時交付金」    13790億円

 これらを合計すると、緊急雇用対策で19千億円。臨時地方財源対策で34790億円となり、合わせて53790億円、約54千億円となる。これらはいずれも、今後2-3年の事業の09年度分として位置づけられている。このうち、再就職・能力開発対策事業を除く46790億円は都道府県と市区町村が執行するものとなっている。すなわち、地方自治体の仕事である。

 

3、緊急雇用創出事業とふるさと雇用創出事業、雇用対策推進費の事例

 「緊急雇用創出事業」は都道府県に国からの交付金で「特例基金」を造成し、都道府県が臨時職員を雇うなど直接執行するとともに、市町村にメニューを提出してもらって、県補助金を配分する。失業者に対する一次的、短期的な雇用・就労機会の創出で、期間は6ヶ月未満とされている。

 「ふるさと雇用再生事業」は、国の交付金で「特別基金」を都道府県に造成し、地域の実情に応じて、失業者に継続的かつ安定的な雇用機会を提供することを狙いとする。期間は1年以上で、更新ができるものが想定されている。

 二つの交付金は京都府の場合、合計74億円が交付されている。配分基準の基本は人口割りであるので、奈良県の場合は京都府との人口比(263万人対141万人=0710月)で約6割(54%)であるから、40億円程度であろう。

 他府県の市町村ではどの程度の予算を組んでいるかを、各団体の予算説明から事例的に紹介しておこう。

 

京都府宮津市の場合

・ふるさと雇用再生事業(9,339 千円)

緊急雇用創出事業(11,702 千円)

宮津市雇用創出推進基金積立金(30,001 千円)、これは09年度普通地方交付税5千億円追加分の宮津市配分額を基礎に設けているもの。

 

山形県長井市の場合

地方財政対策等による主な影響額

・普通交付税3,364,000 千円(前年度比31,000 千円 0.9%の増)

うち「地方再生対策費」101,600 千円(昨年同額)。これは地方法人税の再配分の分である。うち、「地域雇用創出推進費」83,000 千円(2122 年度)

 

鳥取県三朝町

離職者等の雇用の拡大や継続的な雇用を創出するため、国の緊急雇用対策として鳥取県が造成した基金を活用して行う「ふるさと雇用再生事業及び緊急雇用創出事業」にそれぞれ 12,343 千円、7,144 千円、

 

新潟県胎内市

・雇用創出事業 17500千円(21年度予算)

 県補助金を活用し、公園・公道等美化整備事業、観光地の景観整備事業、トキめき新潟国体開催などで事務補助員・現場作業員の採用や事業委託により市民の雇用の場を提供。

・地域雇用創出推進費活用事業 170000千円(21年度予算)

 地域雇用の確保や創出につながる事業を実施する経費として、普通交付税に「地域雇用創出推進費」が臨時的に創設され、胎内市には110000千円が交付される。市の当初予算編成方針では市債の借り入れを抑制するため、総合計画掲載事業と県営事業負担金以外の建設事業費を5億円とする限度額を設けたが、地域雇用創出推進費の配分により、これに上乗せし、道路整備や施設の補修工事、備品購入などを行うこととした。これらの事業を通じて地域経済を下支えすることにより、雇用の確保を図る。

・地域活性化・生活対策臨時交付金活用事業 232900千円(2021年度予算)

 国の交付金を活用し、消雪パイプ敷設工事、学校や公共施設の地デジ対応のためのテレビ購入、保育園へのAED設置、消防ポンプ・積載車の整備、プレミアム商品券の発行などを実施し、地域活性化を図る。

 

4、交付税の地域雇用対策推進費

 これは09年度の普通地方交付税に追加された1兆円のうち、5千億円が「地域雇用対策推進費」として需要項目が設けられたものである(0910年度)。09121日に、各団体ごとの配分額試算値が公表されている。都道府県と2500億円、市町村に2500億円の配分となる。

 奈良県は4361百万円、奈良市が37010万円、大和高田市7080万円、大和郡山市9167万円、天理市7115万円、橿原市12472万円、桜井市6113万円、五條市3737万円、御所市3227万円、生駒市11368万円、香芝市7099万円、葛城市3498万円、宇陀市3781万円。平群町2028万円、斑鳩町2781万円、田原本町3302万円、高取町791万円、広陵町3281万円、東吉野村260万円、十津川村439万円、など。

 算定では、「人口」を測定単位として、人口規模によるコスト差を考慮した段階補正を行う。単位費用は都道府県が2170円、市町村が1840円としている。さらに都道府県では(1)自主財源比率、(2)一人当たりの県民所得、(3)有効求人倍率、を考慮する。市町村では、(1)自主財源比率、(2)納税者一人当たりの市町村民税所得割、(3)第一次産業者比率、を考慮する。また、合併市町村には、旧市町村単位での算定額を合算する合併算定替えを適用して優遇する。

 

5,雇用政策は県、市町村にその執行が義務づけられている

 このようにして、予算上は、県も市町村も、緊急雇用対策を行うよう要請されている。しかし、実情は多くの自治体にとっては、なれない雇用政策を考え、予算執行する重圧と考えられている。

 なぜなら現在でも広く信じられているようだが、地方自治体、特に市町村には雇用政策の権限がない、という神話があるからである。そうではない。地方自治体には2000年の分権一括法と、特に2003年の職業安定法の改正によって広く雇用・就労政策を、国との協調、協力の下に推進する権限が付与されている。市民に対してはそれは義務である。

すなわち、2000年の「改正雇用対策法」の第5条では新たに、「(地方公共団体の施策)第5条 地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の実情に応じ、雇用に関する必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」と定められた。つまり、地方公共団体はこの改正法によって包括的な「雇用に関する施策」を講ずるよう努力義務が課せられたのである。この地方公共団体とは、都道府県、市町村という普通地方公共団体、それに広域連合や一部事務組合などの特別地方公共団体を指す。

ついで、2003年には、規制改革の一環として職業安定法が改正され、無料職業紹介事業が地方公共団体にも解禁された。すなわち、「(地方公共団体の行う無料職業紹介事業)第33条の4 地方公共団体は、当該地方公共団体の区域内における福祉サービスの利用者の支援に関する施策、企業の立地の促進を図るための施策その他当該区域内の住民の福祉の増進、産業経済の発展等に資する施策に関する業務に付帯する業務として無料の職業紹介事業を行う必要があると認めるときは、厚生労働大臣に届け出て、当該無料の職業紹介事業を行うことができる。」と定められ、20043月から施行されている。

このような雇用・労働行政における分権改革と規制改革を受けて、20083月までに107団体がこの無料職業紹介事業を届け出ている。内訳は36道府県、43市、23町、3村、1組合で、前年度の88団体より19団体の増加となっている。届け出た事業所数は213事業所で前年度より24事業所増えている。(厚労省職業安定局需給調整事業課の発表資料)

 このように、積極的に分権改革の成果を生かしている自治体にとっては、今回の国の緊急雇用対策は、自治体の基本政策としての「雇用・就労政策」を永続的なものとして構築する絶好のチャンスととらえているであろう。多くの「居眠り自治体」にとっては、押しつけ事業の予算消化に過ぎないかもしれないが。単なる予算消化であれば、われわれの税の無駄遣いであり、市民にとっても不幸なことである。せっかくのチャンスを見逃すのだから。

 そうではなく、地域活性化の柱として、県も市町村も自ら職業紹介事業を行い、地域に密着した雇用就労施策を根付かせることが、これからの自治にとって重要なポイントであることをお互いに確認したい。そのためのノウハウと人材を蓄積することが、中期的・長期的に求められてもいることも強調しておきたい。

 

6、明らかになった貧困大国日本

     高い相対的貧困率、非正規労働者の割合

 ところで雇用施策が重要な自治体施策として急に浮上してきたのは、緊急経済対策という理由からだけではない。我が国では従来、不問に付されてきた「貧困問題」が社会問題として明らかになり、それに対する施策として、雇用・就労施策が浮上してきたからである。

第一には、2006年にOECDが「対日経済審査報告」において日本の「相対的貧困率」が15.3%に達し、OECD29カ国のうちメキシコやアメリカなどに次いで高い方から4番目だと指摘したことが大きな衝撃を与えたことがあげられる。

 相対的貧困率とは、手取りの世帯所得(収入から税や社会保険料を差し引き、年金やその他の社会保障給付を加えた額)の中央値(平均ではなく、上から数えても下から数えても真ん中になる値)の50%のラインを貧困基準として、それ以下を「貧困」と定義し、その全人口に対する比率を言う。

 2003年度の日本の場合、「一人当たり」の手取りの世帯所得の中央値は254万円であり、この50%は一人127万円で、母子二人世帯で180万円である(詳しくは阿部綾『子どもの貧困』岩波新書、2008年、44頁以下)。この貧困線は、生活保護の基準とよく近似している。この世帯所得は、最近のほうが下がっていると思われる。したがって、現在の貧困線は、OECDの例にならって、中央値の60%とする方が合理的かもしれない。

 第二は、「非正規労働者」の全就労者に占める割合が急速に高まり、この貧困率の高さを押し上げていることや、ワーキングプアの存在が明らかになったことがある。総務省が0873日に公表した2007年の就業構造基本調査(速報)によると、パートやアルバイト、嘱託、派遣など非正規就業者の割合が35.5%と過去最高を更新した。全雇用労働者の3分の1以上が非正規労働者なのであり、20年前の倍以上の比率になっている。

これは先ほどの0ECD諸国と比較して非常に高い。全雇用労働者のうちパート労働者の割合は、NIRA(総合研究開発機構)の2006年の整理によれば、イギリスが23%、ドイツとカナダが20%、アメリカが13%、フランスが12%、イタリアが11%である。

この日本の非正規労働者のうち男性は就業者のうち19.9%、女性はその就業者のうち55.2%といずれも過去最高となった。前回調査の02年には前々回97年と比べて男性が5.2%増の16.3%、女性が8.9%増の52.9%と急上昇していた。この10年で急カーブで上昇したこともあって、この「非正規労働者」の急増にわれわれの認識がついて行けてなかったことがはっきりしたのである。

 第三には、20077月に北九州市の52歳の元タクシー運転手の男性が、生活保護を打ち切られて、日記の最後に「おにぎりを食べたい」と書き残して餓死状態で発見された。これをきっかけに、生活保護などセイフティーネッットの不備が指摘され、「貧困」が社会問題化したことが挙げられる。(この項と次の項は、全国知事会『都道府県展望』095月、の拙稿に若干手を入れたもの)。

 

7、雇用・労働政策を自体政策のメインにする

          社会的包摂とワークフェア

 このような「貧困の顕在化」に伴い、その貧困からの脱出策として、それ以前から施策としては手探り状態だった「自立のための就労支援」が国や自治体の施策の表舞台に登場するようになった。それは「生活保護における自立支援」の主な施策としての「就労支援」に展開する。なお就労支援の政策的根拠として、社会保障制度審議会の「生活保護制度のあり方に関する専門委員会報告」(20041215日)があり、そこでは「就労支援」は「日常生活支援」と「社会生活支援」と並ぶ自立支援策の一環とされている。これは社会福祉サービス受給者や失業者、ニートなど若年の無業者などが陥っている「社会的排除」(ソーシャル・エクスクルージョン)状態をどう克服し、これらの人々をどう「社会的に包摂する」(ソーシャル・インクルージョン)ことができるか、その施策や如何、という問題提起でもあり、イギリスやフランスでは貧困対策の中心の考え方となっている。

 そして、雇用政策と福祉政策との統合の動きが国際的に明瞭になり、就労支援が各国の社会福祉改革のメインストリームとなってきている。「ウェルフェアからワークフェアへ」という流れである。

 このワークフェアという言葉や政策の発祥の地はアメリカで、代表的には1996年のクリントン政権の福祉改革施策として行われたものである。長期にわたる失業給付に期間的制限(最長5年など)を設け、その期間中に職業訓練を受けることを義務づけると共に、訓練を受けない場合には罰則として給付の制限や停止を行うなど、強制的に失業給付を減少させ、納税できる市民をつくろうとする政策であった。

この施策は、その後、EU諸国に波及する中でより積極的な社会保障施策の一つとして「就労支援」を位置づけるようになっている。最近では、このワークフェアを次のように定義づけられている。「なんらかの方法を通して、各種社会保障・社会福祉給付(失業給付や公的扶助あるいは障害給付、老齢給付、ひとり親手当など)を受ける人々の労働、社会参加を促進しようとする一連の施策」である(埋橋孝文『ワークフェア――排除から包摂へ?』法律文化社、2007年、18頁)。

 つまり、グローバル化がなお進む21世紀の世界では、福祉国家の限界を超えるために、各国とも社会福祉施策と雇用労働施策の統合が求められるようになっているといえる。

 

8、新しい雇用・就労施策の芽

 以上のような背景もあって、経済危機の克服を目指し、その施策の一環として雇用政策を展開する試みも広がってきている。

 京都府は、この5月に「京都未来を担う人づくり推進事業」を立ち上げた。推進体制としては京都府、京都市、京都商工会議所、大学コンソーシアム京都の産学公の連携である。財源は京都府緊急雇用対策基金で、若年求職者100名を「人づくりサポートセンター」が直接雇用し、大学での人材育成講座(最長1年)の受講、サポート企業での実践研修(1-6ヶ月)、マッチング交流会を行う。これに就労支援の総合窓口であるジョブパーク(府とハローワークの連携による総合窓口)が連携して、キャリアカウンセリングやメンタルサポートで支援する。

 この特色は、大学と府、企業および国の機関(ハローワーク)とが組んだ人材育成における具体的な協力システムの構築にある。これによって、かなり高度な即戦力をもった人材を養成することを目指すとする。

 福岡県ではこの4月に、博多駅東口に「中高年就職支援センター」が発足した。センターでは、個別相談から職業能力の向上、職業紹介までワンストップで総合的に支援することを目指すという。求職者が3ヶ月を目標に再就職できるようにサポートする。

 また福岡労働支援事務所は「子育て女性支援センター」をこの5月に始めた。女性就業アドバイザーが1時間かけてゆっくり話を聞き、就職のサポートを行う。その上で、シエンセンターは子育て中の女性が働くことに理解がある企業の求人を開拓し、女性にあっせんする。その際、「女性就業アドバイザー」と、委託事業者であるコーディネーターが共同して就職までサポートする、という。

 福岡県の場合、従来からブロック単位(福岡、筑豊、北九州、久留米)で県の労働部局の出先である「労働福祉事務所」が置かれていた。これがこの4月から「労働者支援事務所」に名称を変えている。これらの事務所では、子育て女性支援での職業のあっせん、若者就業支援での相談と紹介およびあっせん、障害者支援での相談と紹介、あっせんを行ってきている。「障害者企業内実習付職業紹介事業」は、一般企業への就職を希望する障害者に対し、就職相談から職業紹介・企業内実習、職場定着まで一貫した支援を行う、としている。

 

おわりに

 国の第二次補正、09年度予算、09年度第一次補正という緊急経済対策による緊急雇用政策は19千億円になる。単年度の額は大きいが、その期間は2年ないし3年である。その意味では、まだ雇用政策を社会保障政策として明確に捉えているわけではない。当座の臨時的措置というスタンスを出るものではない。しかし、先にも触れたように、グローバル経済のもとで、従来の福祉国家施策は行き詰まりつつある。常に非正規労働者や不安定雇用労働者を生み出そうとする経済動向のもとで雇用や労働のありようが変容する。これに適切に対応して、「安心と安全」な社会をつくるために、自治体に期待される宅役割は大きい。社会保障政策の一環としての自治体雇用・就労政策をつくるチャンスとして、これからの3年間を生かしたいと強く思う。

 

 

 

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