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(初出:「自治総研 巻頭コラム」05年10月号草稿) 協働時代の市民参加 この一年の間で、奈良市の「ボランティア・NPOとの協働に関する指針」の案をつくる作業を帝塚山大学の中川幾郎さんやNPOの人たち、先に策定した奈良県などと行ってきた。また、枚方市では「市民参加推進条例」の検討会議で同志社大学の今川晃さんや公募の市民の方々と議論している。 これらの作業の中で、市民参加が新しい時代に入っていることを改めて痛感した。もちろんこのこと、すなわち市民参加が新しい時代に入っていること、は既に言い古されたことになるのかもしれない。しかし、新しい「協働」という考え方と、1960年代以降の沿革を持つようになっている「市民参加」という考え方がどういう関係になっているか、ということが常に討論のバックにあるように感じられたのである。 結論から言えば、協働という行政と市民との新しい関係は、この時代における市民参加のひとつの形態として位置付けておく必要がある、ということである。 市民参加、住民参加はいまや当たり前になっているから、なにをいまさらという感じもあるかも知れない。ところが、一部の自治体や自治体の一部以外では、「形骸化した市民参加」、「行政のアリバイつくり」という批判があることも事実だろう。 ちなみに、9月20日時点で13政令市(4月移行の静岡市を除く)のホームページを「市民参加」と「住民参加」でキーワード検索したところ次のようになった。 キーワード「市民参加」と「住民参加」のヒット数(件)
これで各都市の市民参加度が測れるわけではない。検索エンジンの違い、検索方法の不適切さ、搭載文書の性格や量によっての違いもある。ということを断った上でやはり、顕著な差があるように見えるし、その差がなにか意味があるようにも見える。大阪市と「市民参加推進条例」を03年に創った京都市との差は「そうだろうな」という思いがする。数字的には、けっして十分なものとはいえない。 たとえば90年代から協働(ガバナンス)時代に入ったと仮定して、市民参加は協働という形態を含むようになったのだが、多くの自治体では、この協働を安上がりのアウトソーシングとして見ているのも事実である。このように市民をスポイルした「行政都市」に対するひとつの批判が、今回の職員厚遇問題追及のひとつの要因となっていると思う。 重要なのは、自治基本条例の制定自治体が増える中で、それらを形骸化させず、より市民を主体とする自治体に近づけるためには、いくつかの基礎的な制度整備が求められるとうことである。第一に、自治基本条例(政令市では川崎市が最初)のもとにおかれるべき「市民参加推進条例」の制定(政令市では京都市が最初)。この条例には、各課ごとの「市民参加推進計画」とその市民的評価組織(フォーラムなど)の設置が必要だ。それに、NPOなどや地域住民組織の稼動を活性化する「市民公益活動支援条例」が必ず必要である。これに市民が活動する「まちづくり協議会」が必要だ。また、「ボランティア・NPOとの協働の指針」というルールが全部局をカバーして設けられなければならない。このルールは、NPOと行政との「活動協定」(コントラクト)の基礎となるし、各課がNPOと協働の基準として協働計画推進のための行動の道しるべにもなる。 そして市民参加には、NPOが担うという意味で、行政活動の「直接執行」という「協働」のひとつのかたちが、明確に位置付けられなければならないであろう。 |
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