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                  公立病院改革ガイドライン(厚労省)について
                         於いて:自治労奈良県本部衛生医療評議会研究会
                                  200878日        澤井 勝

 

厚生労働省の公立病院改革ガイドライン(071224日)と公立病院改革プラン(08年度中策定)について(その2)      

                       

T、公立病院改革ガイドラインについて(厚生労働省見解の説明と若干の注解)

 

第1        公立病院改革の必要性

 

1、公立病院の現状と課題

「近年、多くの公立病院において、損益収支をはじめとする経営状況が悪化するとともに、医師不足に伴い診療体制の縮小を余儀なくされるなど、その経営環境や医療提供体制の維持が極めて難しい状況となっている。」

「加えて『地方公共団体の財政の健全化に関する法律』の施行(084月)に伴い、地方公共団体が経営する病院事業は、事業単体としても、また当該地方公共団体の財政運営全体の観点からも、一層の健全経営が求められることとなる。」

 

2、公立病院改革が目指すもの

(1)           基本的な考え方

  「医師をはじめとする必要な医療スタッフを適切に配置できるよう必要な医療機能を備えた体制を整備すると共に、経営の効率化を図り、持続可能な病院経営を目指す。」

(2)           公立病院の果たすべき役割の明確化

  「公的医療機関の果たすべき役割は、端的にいえば、地域において提供されることが必要な医療のうち、採算性等の面から民間医療機関による提供が困難な医療を提供するところにある。」

 

3、公立病院改革の三つの視点(実は5つの視点が必要である)

(1)           経営効率化

(2)           再編・ネットワーク化

(3)           経営形態の見直し

    以下はわれわれが欠けていると思う視点

(4)         地域医療費削減のために、長野県のPPK運動や尾道市医師会、公立御調病院の地域包括ケアなどを参考に、医療機関と保健、福祉部門との連携をすすめる,という視点。

(5)         コンビニ診療、過剰な救急車の利用など、住民の医療への過剰な依存心を変えるための、医療機関と住民自身との協働の取り組み、という視点。

 

4、公立病院改革ガイドライン策定の趣旨

 「地方公共団体が公立病院改革に係わる改革プランを策定する際の指針を示し、改革の実施に関する技術的助言を行おうとするものである。」

 「関係地方公共団体は、各々の地域と公立病院が置かれた実情を踏まえつつ、本ガイドラインを参考に各公立病院の改革に関するプランを策定し、これを着実に実施することが期待される。」

 

第2 地方公共団体における公立病院改革プランの策定

    20年度内にプランを策定。

    「再編・ネットワーク化、経営形態の見直しで都道府県の積極的な参画することが強く求められる。」

1、   改革プランの対象期間

標準として

    経営効率化については3年間

    再編・ネットワーク化については5年間

 

2、   改革プランの内容

(1)           当該病院の果たすべき役割及び一般会計負担の考え方

    「繰り出し基準」の考えかたである。

(2)           経営の効率化

@      経営指標に係わる数値目標の設定

1)     経営内容に関する指標

ア、  収支改善に係わる指標

例 @ 経常損益の額、

A 資金不足比率イコール不良債務比率、

B 減価償却前収支の額、

C 経常収支比率、

D 医業収支比率、

E 職員給与費対医業収益比率、

F 100床当たり職員給与費(これは疑問がある)など。

G(加えて累積欠損金比率)

イ、  経費削減に関するもの 薬品使用効率、医薬材料費の削減、など。

ウ、 収入確保に係わるもの 病床利用率、平均在院日数、患者一人当たり診療収入など。

エ、  経営の安定に関するもの。純資産や現金保有残高など。

 

くわえるべきもの>。

(1)患者のQOL(Quality of Life)の向上に関する指標で、じょく創罹患率改善目標値やNST(栄養改善チーム)設置の考え方、など。一般に食事の改善、浴室の設置など。

(2)それに抑制廃止についての方針。

 

2)     公立病院としての医療機能に関する指標。

 例:外来・入院患者数、救急などいわゆる4疾病5事業に係わる取り扱い件数、その比率、臨床研修医の受け入れ人数、医師派遣件数など。

 

平成19年に施行された改正医療法により、医療計画制度の下で、いわゆる4疾病5事業ごとに、医療連携体制を構築することとなりました。

平成20年4月を目途に、疾病又は事業ごとに、必要となる医療機能を明らかにした上で、各医療機能を担う医療機関等の名称や数値目標が記載される新しい医療計画が作成されることになります。

4疾病5事業ごとの医療連携体制の構築は、これからの日本の医療提供システムにとって、大変重要なことです。
そのため、日本医師会の考え方と、医療連携体制の構築に当っての留意点をまとめました。

4疾病

がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病

5事業

救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児救急医療を含む小児医療、その他

 

 

3)    以上のほか、患者満足度などについて設定することが考えられる。

 

A      財務内容改善に係わる数値目標設定の考え方

1)     各公立病院に共通する事項

2)     同一地域に民間病院が立地している場合

B      経営指標の目標設定及び評価に関する留意点

C      目標達成にむけた具体的な取り組み

 例として:

ア、  民間的経営手法の導入 PFI方式や民間委託の活用など

イ、  事業規模・形態の見直し 過剰病床の削減、老健や診療所への転換

ウ、 経費削減・抑制 職員給与体系の見直し、契約方式の見直し

エ、  収入増加・確保策

D      改革プラン対象期間中の各年度の収支計画

E      その他の留意事項

1)     指定管理者制度導入団体における目標設定

   夕張市民病院は指定管理者に移行して、夕張診療所に。

2)     経営感覚に富む人材の登用

3)     医師等の人材の確保

4)     病床利用率が特に低水準である病院における取り組み

            過去3年間の一般病床と療養病の利用率が連続して70%未満の病院については、病床数の削減、診療所化等の抜本的な見直しが必要。ネットワーク化により過剰病床を解消することも。

5)     民間病院と比較可能な財務情報の開示。

6)     施設・設備整備費との抑制。新増築・改築に当たっては必要最小限に抑える。

 

3、   再編・ネットワーク化

@      計画の明記

A      都道府県の役割

B      留意事項

1)二次医療圏の単位での経営主体の統合の推進 地方独立法人(非公務員型)の設置。共通の指定管理者の選定。一部事務組合方式の活用。

2)医師派遣等に係わる拠点的機能を有する病院の整備

3)病院機能の再編成及び病院・診療所間の連携体制

 C 再編・ネットワーク化のパターン TからWまで。

 

(4)経営形態の見直し

 @ 計画の明記

A      選択肢と竜事項

      地方公営企業法の全部適用

      地方独立法人化

      指定管理者制度の導入

      民間譲渡

 

B      事業形態の見直しの検討等

 

 

第3 公立病院改革プランの実施状況の点検・評価・公表

 

第4 財政支援措置

1 公立病院改革に対する財政措置

1)     改革プラン作成費用の交付税措置

2)     再編・ネットワーク化に伴う、一般会計から出資する債の病院債を認め、その元利償還に交付税措置

3)     再編・ネットワーク化にともなう清算措置

 @不良債務の清算

・公立病院特例債の創設

・一般会計出資債の措置

  A施設の除却費用の特別交付税措置

B既往地方債の繰上げ償還

C退職手当債の措置

 D病床削減でも交付税措置は5年間継続

2 公立病院に関する既存の地方財政措置の見直し

   特に地方交付税の1床当たり需要額加算など交付税措置による増加財政需要額を一般会計が流用している場合など。

   交付税措置の増額、特に医師の人件費の積み上げへの支援措置の検討。

 

U、2006(平成18)年度公営企業年鑑から

 

1、   施設・業務概況及び損益計算書(県・市町村) 1−4頁

 

2、   経営分析に関する調べ 5−7頁

 

3、   貸借対照表及び財務分析(県) 8−9頁

             (市町村) 10−12頁

4、総括表  13頁

                   

 

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