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新市町村計画への提案 |
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(2002年9月14日 丹後の未来を考えるシンポジウム 於:アミティ丹後) 1、はじめに 2、合併の前提として考えるべき6つの条件 1、過疎化の促進要因を取り除くこういう市町村合併への圧力が高まる中で、冷静に考えると、合併を考える際に共通のものとして理解をしておく点がいくつかある。ここではそれを次の六点に整理しておきたい。 まず、今回の市町村合併は、昭和30年代前半の合併の経験から、その弱点を克服しようという仕組みも組み込まれている、という点が第一の条件である。 昭和30年代合併の反省点の第一は、合併市町村の一体性を確保することを急いだ結果、(役場の統合、学校の統合など)周辺地域の衰退を招き、過疎化に拍車をかけた、という点である。つまり、新市町村を構成する旧町村等の地域性を、つまりなにほどかあったその自立的な共同性を、もっぱら解体する方向での施策しかなかったとも言える。 このため、今回の合併では、旧市町村の区域をもとにした「地域審議会」の設置を認め、むしろ奨励しているのである。地域審議会をどう組み立てるか、その趣旨は、新市町村を構成する市町村の地域的なまとまりを確保すること、それを基礎に新市町村が構想されることが求められている。 第二は、昭和30年代と違って、それ以後の「地域活性化」、「過疎対策」、「まちおこし、むらおこし」、そして「モデル定住圏」、「地方老人保健福祉計画」などの地域政策によってそれぞれの地域に、多くの行政資源というストックがあるという点である。そして、活発に活動する住民あるいは住民組織、企業があるという点である。 この地域活性化とまちづくりの経験、知恵、そしてハード面での財産を、未来都市につなげていくことが重要である。 したがって、構想されるべき都市像は、分散型国土形成を本格的に、地域において実現していくものであってほしい。分散型国土とは、それぞれの地域が、市町村の内部構造としても「生き生きとして」「個性的」であることで実のあるものになる。自立した地域とそのネットワークの形成、その形成と活性化のための新本庁の機能が必要となる。 これらの考え方の延長上にはっきりしてきたのは、今回の合併は、「秩序ある分散型合併」が有力な選択肢だというテーマである。「共和国連邦」であるといってもよい。各構成市町村の自律性をそうとう保障しながら、本庁機能をかなり制限して(こぶりにして)、全体の調整と企画機能、税制や徴税機構の強化、法制事務の創造、対外的、国際的な機能を担うものにする、そういった方向性が確認できてきたのである。 さらに、第三には、モータリーゼイションの成熟と消防や救急におけるヘリコプターの活用に見られる交通手段のイノベーション、インターネットなどデジタル通信手段の普遍化など、人々の活動は極めて広域化し、交流の密度も濃くなってきている。その意味では、この広域的な人的、物的、情報的な交流に対応する合併として考えられなければならない。 特に21世紀は日本にとって本格的な「観光産業」の時代になる可能性があり、むしろ積極的に、アジアを中心とする交流人口をひきつけられるどうか、そのサービスの質を開発できるかどうか、この点に地域の将来はかかっているとも言える。 そして、第四に、経済のグローバル化に積極的に対応できる産業構造の転換であり、その産業内部の構造転換である。農林業におけるバイオ技術、林業を環境産業に転換すること、沿岸漁業の再構築、工業におけるニッチ産業や新エネルギーへの転換、繊維産業の市場開拓とデザインおよび複合素材の新工夫、などなど。 特に、従来型の公共事業に依存してきた諸産業を、環境産業や福祉産業に組替えていくためのきめ細かい産業政策が、新市町村の主要な施策として考えられ、施行されるべきである。この中でも福祉産業をどう地域的な産業にできるが最重要課題である。 この高齢化・少子化という確実に進行し、20年後にはピークを迎える人口構成の大きな変動が第五の条件である。これからの自治体は、この高齢化のなかで、障害者も高齢者も子どもも、そしてその家族も安心して暮らし、最期を迎えることが出来る地域を、一年一年の施策の積み重ねの中で実現できるかが問われている。これに成功した自治体は、若者が戻ってくるひとつの条件を満たす。それはまた福祉、医療の多くの雇用を地域に生み出し、保険財源などの域外の資金を動員できる。 もうひとつの、第六の条件は、以上の条件のさらに基礎となる緑と水の豊かな環境が求められている、という条件である。生活の場としての自然環境、働く場としての自然、遊ぶ場としての自然、寛ぐ場としての自然、食べ物とエネルギーの源としての自然、そして廃棄物をもとの姿に返す場としての自然。これらの自然は、里山であり用水であり、地先の海岸と砂浜、沿岸域である。全て人が適切に手を入れることによって再生産されて、維持されてきたものだ。 これは、国連の地球環境サミットでの合意を実現する「子ども達によりよい地球を手渡すための『持続可能な発展』」のために、わが国民が果たすべき役割のひとつでもある。 3、住民の希望とニーズを基礎にして (1)地域の将来像で、第一位が「工業・商業・サービス業が活発で働く場に恵まれた産業のまち」、第二は「海岸や海浜などの美しい景観や水・緑を生かした自然豊かなまち」、第三位が「高齢者や障害者など全ての人が安心して暮らせる福祉のまち」、となっている。 4、新市町村建設計画の柱 以上のニーズを考えながら、新市町村の実現すべき地域課題、すなわち25年後に先の三位一体を実現するための政策の柱は、次の5点ということになるだろう。 (1)産業が活力あるための先端的・複合的産業政策・自治的な雇用労働政策の展開(2)少子・高齢化社会を安心して豊かにする福祉産業の育成と地域福祉の確立 5、新市町村建設計画の基礎 (1)小学校区あるいは大字などを単位とする地域住民自治組織の構築。そこへの事務事業の移譲(可能なものから)。自ら考え、自ら働き、自ら出資する。職員は住民として参加し、鍛えられる。 |
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