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地方自治体の収支尻には次の四つがある。
一 形式収支(歳入歳出差引額)
地方自治体のその年度の歳入総額から歳出総額を差し引いたもの。年度内に収入された現金と支出された現金の差額である。したがって現金の支出が年度内なければ、その年度内に発生した債務でもこの収支尻には現れない。そこで次の実質収支が工夫された。
二 実質収支
形式収支から継続費や繰越明許費にともなって翌年度に繰り越すべき一般財源(これは当年度ではなく翌年度に属する)を控除して求める。これが最も重要な収支尻で、この実質収支が黒字の場合、黒字団体といい、赤字になると赤字団体という。この実質収支を標準財政規模で除した指標が実質収支比率で、赤字団体の場合、この比率が都道府県で五%以上、市町村で二〇%以上になると、地方財政再建特別措置法を準用した財政再建を行わないと起債が認められなくなる。またこの収支は累積の黒字又は赤字を示す。
三 単年度収支
その年度中に発生した黒字又は赤字をいう。当該年度の実質収支から前年度の実質収支を差し引いて求める。この単年度収支は一定の期間をおいて赤字になるのが健全である。ときどき赤字にならなければ、黒字が貯まる一方であるが、こういった状態は家計では許されても、租税を徴収する統治団体としては許されないからである。黒字が累積するようであれば、黒字を取り崩して、すなわち単年度収支を赤字にして、行政水準を引き上げるか、または租税等を引き下げるか、いずれにしても市民に還元するべきである。とはいってもこの収支が三年度以上連続して赤字になるような場合は放漫財政の危険がある。
四 実質単年度収支
これは単年度収支に地方債の繰り上げ償還額と財政調整基金への積立金を加え、積立金取り崩し額を差し引いたものである。実質的な債務の増加又は貯蓄等債権の増加を捉えようと言う指標である。
実質収支比率とは、その年度の実質収支額を標準財政規模で除して得られる比率で、普通3%から5%程度が望ましいとされている。
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