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実質公債費比率 
 06年度から地方債許可制度が協議制度に移行した。このために従来の公債費比率や起債制限比率に代わり、実質公債費比率という新しい比率で起債制限等を行うこととされた。地方財政法施行令の改正、および起債許可方針に代わる「地方債同意等基準」で示すという形で行われる。実質公債費比率は、基本的には分子に地方債の元利償還金(公債費)を置き、分母に標準財政規模(別項)を置いて求める。従来と異なるのは、分子の元利償還金に上水道や交通など公営企業の支払う元利償還金への一般会計からの繰り出し金、PFIや一部事務組合等の公債費類似経費(準公債費)を参入することで、いわば連結決算の考え方を導入していることである。また、07年成立の財政健全化法に基づく健全化判断比率として実質公債費比率が採用されているが、その際、分子の公債費と準公債費の計から「都市計画税」など特定財源が控除され、比率の引き下げに貢献している。
 この実質公債費比率が18%を超えると、地方債許可団体に移行することとされている。すなわち、許可制度がかなり広範に残ることになる。また25%を超えると、単独事業の起債が認められなくなり、起債制限団体となる。ただし、25%を超えても当分の間、起債制限比率が20%以下の団体は、当該団体の公債費負担適正化計画やその実施状況を見て、起債制限をしないこととされている。初年度の06年度の場合、北海道、長野県、兵庫県、岡山県が許可団体。政令市のうち仙台、千葉、横浜、名古屋、京都、神戸、広島、福岡が許可団体。
 この許可団体は「公債費負適正化計画」を自主的に策定することが求められる。

    (A+B)-(C+D)/E-D が算式である。この3年度間の平均値をとる。
    
    ここでAは地方債の元利償還金(繰り上げ償還等を除く)
        Bは元利償還金に準ずるもの
        Cは元利償還に充てられる特定財源(都市計画税など)
        Dは普通地方交付税の額の基準財政需要額に算入された地方債の元利償還金
        Eは標準財政規模(及び当面は臨時財政対策債の発行予定額を加える)
 また実質赤字が一定規模以上の赤字団体も「早期是正措置」として地方債の発行に許可が必要となった。単年度の標準財政規模に対する赤字が都道府県で2.5%以上、市町村で10%以上の団体
は許可団体とされ、「地方債同意等基準」に基づき「財政健全化計画」を提出することが求められる。


公債費比率と起債制限比率
 それぞれの自治体で毎年度の公債費に充当された一般財源の、標準財政規模(制度的に与えられた経常一般財源の額)に対する比率である。算式は次の通り。

 A−(B+C)
 D−C
ここでAとは、当該年度の普通会計にかかる元利償還金
   Bは、元利償還金に充当された特定財源
   Cは、普通地方交付税の基準財政需要額に算入された公債費
   Dは、当該年度の標準財政規模
 注意したいのは、分母と分子にある交付税の基準財政需要額に算入された公債費である。これは元利償還金に充てられた特定財源(公営住宅の使用料を公営住宅の建設費の元利償還金に充てる場合など)と同じ扱いで、公債費比率の計算から除外していることになる。この基準財政需要額への元利償還金の算入が行われているのは次の各事業債で、単位費用によって算入されている。過疎債、辺地債、地域改善対策債、災害復旧債、公害防止事業債、地方税減収補填債、地震対策債、財源対策債、石油コンビナート事業債。
 公債費の負担は、後年度に影響が出てくるもので、放漫財政のつけを後の世代に回さないよう自治体が自主的、自律的に投資事業の管理をすることが求められる。これに加えて、我が国の場合、制度的にその水準を規制する政策がとられている。それが公債費比率が一定比率以上の自治体に起債を認めない起債制限である。ただし一九七七(昭和五二)年度からは次の算式による起債制限比率の過去三年の平均値によっている。
 A−(B+C+E)
 D−(C+E)
 ここでEとは、普通地方交付税の基準財政需要額に事業費補正によって算入された公債費である。
 事業費補正によって需要額算入が行われているのは、義務教育小中学校の建設事業債、ごみ焼却工場の建設事業債費、地域総合整備事業債などがある。この仕組みは、現場では後に交付税として帰ってくるものとして利用度が高いが、地方自治体の共通財源である交付税を補助金化するものだという批判も根強い。
 起債制限比率が二〇%を超えると一般単独事業債と厚生福祉施設事業債の発行が認められなくなり、三〇%を超えると一般事業債の発行が認められなくなる。
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