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「地域主権」改革ーー自治体に求められるもの
              (初出:『市政研究』2010年4月)

                   奈良女子大学名誉教授   
                   大阪市政調査会会長   澤井勝

 

地域主権」改革――

求められる自治体の政策転換とその課題                        


目次 「地域主権改革」の定義と憲法の「理念」  「憲法の理念」は憲法全体を受ける  障害者自立支援と介護保険の活用の場合  義務づけ・枠付けの見直し 義務づけ・枠付けの意味
 自由と平等の矛盾を憲法の原理でつなぐ  国と地方の協議の場の法制化  実質的に「協議の場」を動かすべき  権限移譲に消極的な第一次回答を超えて  


「地域主権改革」の定義と憲法の「理念」

政府の「地域主権改革」の舞台の大要が整い、既に夏の「地域主権改革大綱」の策定に向けて二つの会議が動き出している。またこの通常国会には地方自治法改正案と共に、地域主権改革関連2法案(地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法案=いわゆる地域主権推進一括法、国と地方の協議の場に関する法案)が提出されている。

 二つの会議とは、内閣府に置かれた「地域主権戦略会議」と総務省に置かれた「地方行財政検討会議」である。このうち「地域主権戦略会議」は35日に閣議決定された地域主権推進一括法のなかで、内閣府設置法の一部改正として設置するとされた。この会議は昨年1214日に初会合を開いているが、これで法的根拠を得ることとなる。(なお「地方行財政検討会議」は二つの分科会で地方自治法の抜本的改正について議論を始めている。)

 この内閣府設置法改正法案の第43号の3で「地域主権改革」の定義が行われている。すなわち「地域主権改革」とは、「日本国憲法の理念の下に、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするための改革」であるとしている。

 この定義文の前段は地方公共団体が、住民に身近な行政を自主的、総合的に担うようにすることを改革の内容としているから、いわば「団体自治の確立」を言っていると見てよい。また後段では地域住民が地域の課題に「自らの判断と責任で」取り組むことができるようにするための改革であって、これは「住民自治の確立」を意味しているようである。

 しかし、この定義文は、これにとどまらない意義を持っていると読むべきである。すなわち、「日本国憲法の理念の下」とは、憲法による地方自治の保障の内容として、第92条の「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は地方自治の本旨に基づき、法律でこれを定める」としていること、そしてその「地方自治の本旨」の内容としてよく言われる「団体自治と住民自治の保障」が言われてきたこと、そのことを指しているのは明白であるが、同時に、より広い意義をもっているとも考えられる。

すなわち、この「憲法の理念」は憲法第8章「地方自治」の第92条に言う「地方自治の本旨」のほか、93条の長と議員の住民による直接公選、94条の自治行政権の保障と条例制定権、95条の地方自治特別法と住民投票、などの第8章全体を指すものと見ることもできる。

このような観点からすると、既に2回行われた地域主権戦略会議での議論で、首長と議会の二元代表制を修正して、副市長などを議会から任命するなどの方策が取り上げられているのは、イレギュラーであると言わざるを得ない。憲法は首長と議会の直接公選を定めているから、これに反するような「修正された議院内閣制」の導入の余地は小さい。首長(行政権)と議会(立法権)との権力分立の原則は、憲法上の重い要請であり、首長の行政権限の独裁的強化に道を開きかねない制度いじりは無効である。

 

「憲法の理念」は憲法全体を受ける

さて「憲法の理念」ということになれば、次の点も留意されるべきであろう。地方自治体が「住民に身近な行政」を担い、「地域住民が自らの判断と責任で地域の課題に取り組む」とは、他の憲法条項にも広く関連してくることとなるのは自明である。特に第3章、国民の権利及び義務に定められた第11条の基本的人権、第13条の幸福追求権、第14条の法の下の平等と差別禁止、第19条の思想及び良心の自由、第21条の集会や結社など表現の自由、第24条の男性と女性の本質的平等、第25条の健康で文化的な最低限の生活など、これらの保障もまたここに言う「憲法の理念」として確認をしておくべきである。

このように「憲法の理念」を広く、かつ正確に捉えておくことによって、施設やサービスの全国一律の国の基準を緩和し、自治体の条例に委任する際の自治体側の基準設定を工夫するためにこの憲法の各条項が活かされるべきだからである。すなわち、中央政府レベルでのナショナルミニマムに対応する、地方自治体レベルでのローカルスタンダード(シビルミニマムとも)設定の基準は、直接、これら憲法の人権保障条項と関連づけることが推奨されるのである。このように自治体の条例制定の基準を、直接に憲法にしたがうものとすることが、これからの自治体法務の柱とならなければならない。

同時に、このローカルスタンダードは、人々が公的サービスを利用する「現場」の経験の中から生み出されるべきである。ローカルスタンダードを国のあれこれの政省令にしたがって考えることはできないとすれば、一つは憲法を地域に活かすこと、もう一つは地域での現場の経験によらねばなるまい。それは以上の二つの観点から、それら個々の施策は目指すべき法的(条例上の)目的を地域で実現する、と言う観点から設定され、運用されることが望ましい。

 

障害者自立支援と介護保険の活用の場合

たとえば障害者が65歳に到達したとき、ぶつかるのが介護保険給付と障害者自立支援法に基づくサービス給付の関係をどうするかという問題である。市町村の介護保険課の窓口レベルで「介護保険優先の原則」について誤解があり、介護保険法や障害者自立支援法の目的に外れ、障害者のサービス利用に制限を加えるような対応も見られた。自立支援法の第7条では、「他の法令による給付との調整」として、概ね「介護保険法による介護給付で自立支援給付に相当するものを受けることができるときは、自立支援給付は行わない」と規定しているが、これを誤読していたのである。もっともこの条項自体、現在は障害者団体からは削除要求が出ている。

たとえば、従来の障害者デイサービスから転換した「訓練等給付費」は、介護保険のデイサービスに相当するから、まず介護保険のデイサービスを受けることになる。ある女性障害者の場合、支援法の前身である障害者支援費制度の下では、ウイークデイには毎日、デイサービスで入浴し、洗髪していた。それが彼女の作業所通いを支えていたのである。しかし65歳に到達したとたん、要支援1と判定され、週に一日のデイサービスとされて、「他はできません」と窓口で断られると言うことが起きた。全国で同様なサービス水準や量の切り下げが生じたようである。このような従来受けてきた障害者支援サービスを介護保険サービスの範囲内に押さえ込む、ということが「介護保険の優先」と誤解されて横行したようである。いわばローカルスタンダードの暴走である。

しかし、「この介護保険の優先」とは、まず介護保険サービスを提供し、それで足りないサービスの種類や量は、市町村の判断により、自立支援法の自立支援給付で行うことを前提としている。この場合は、週一回は介護保険のデイサービス、残りの5日は市町村の担当者会議などの判断で、自立支援法の職業訓練等給付費で保障すれば、障害者の生活を保障し、その人権と尊厳を守ることができる。また介護保険にないサービスは、当然に自立支援法で提供する、ということに過ぎない。

このようなローカルスタンダードの設定と運用は、まず法の目的に即して、そして憲法13条や14条、そして25条に照らして行われなければならない。それも一人一人のニーズに応じ、現場の実態に即して、行われなければならないのである。そこに全国的な基準を遵守することと、自治体の裁量が生きる分権と自治の確立との調和を探ることになる。

 

義務づけ・枠付けの見直し

 同じく地域主権改革関連法では、地方自治体に対する国の法律等による自治事務についての「義務づけ・枠づけ」の見なおしのために、41の法律を一部改正し、63項目、121条項を見直すこととしている。これは保育所など児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を厚労省令から自治体に条例委任すること、同じく特別養護老人ホームやグループホームなど老人福祉施設の設備や運用基準を厚労省令の基準から自治体の条例に委任すること、などである。さらに、公営住宅の整備基準や入所要件(家族なしでも可、収入要件など)の条例委任、道路の構造の技術的基準を条例に委任するなどもある。さらに市町村立幼稚園の設置廃止に関わる都道府県教育委員会の認可を、届け出とすることなどもある。

 この「義務づけ・枠付け」の見直しは、今年の3月末で設置期限が切れた地方分権改革推進委員会(丹羽委員長)の第三次答申(09107日)をまずは引き受けて実現することを目指す。しかし、第一次の法改正案は、政権発足後の短期間での作業だったこともあって、ごく一部にとどまっている。

 第二次の「義務づけ・枠付け」の見直しに向けては、第三次勧告のうち、第一次見直しの残りも含め892条項について各府省に照会し、三月下旬に回答期限が来る。

そのうち施設等の基準で条例委任に関わるものが32項目、82条項。たとえば都市公園の面積等の基準、バリアフリー化構造基準、道路使用許可の基準等である。その中には保育所の入所基準である「保育に欠ける要件」の条例委任もある。これは厚生労働省令を参酌基準とする方向で検討されているようである。

 

義務づけ・枠付けの意味

この「義務付け・枠付け」とは、地方分権推進委員会の第二次勧告(2008128日)の定義では次のようになっている。「『義務付け』とは、一定の課題に対処すべく、地方自治体に一定種類の活動を義務付けることをいい、一定種類の活動に係る計画策定の義務付けをも含む。『枠付け』とは、地方自治体の活動について手続き、判断基準等の枠付けを行うこと。」

また「施設・公物設置管理の基準の見直し」では、鳩山政権の「地方分権推進計画」(091215日)では次のように述べている。「管理の基準を条例に委任する場合における条例制定に関する国の基準の類型は、第三次勧告に沿って、次のとおりとする。

@ 従うべき基準 

条例の内容を直接的に拘束する、必ず適合しなければならない基準であり、当該基準に従う範囲内で地域の実情に応じた内容を定める条例は許容されるものの、異なる内容を定めることは許されないもの

A 標準 

法令の「標準」を通常よるべき基準としつつ、合理的な理由がある範囲内で、地域の実情に応じた「標準」と異なる内容を定めることが許容されるもの

B 参酌すべき基準

地方自治体が十分参酌した結果としてであれば、地域の実情に応じて、異なる内容を定めることが許容されるもの」

これに従って、たとえば「児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」は都道府県、指定都市、中核市及び児童相談所設置市については「条例に委任する。」条例制定の基準は、医師等の資格、職員の人数、居室の面積、人権侵害の防止などに係る規定は「従うべき基準」とする。施設の利用者数に関する基準は「標準」とし、その他の基準は「参酌すべき基準」とする。ただし、保育所にあっては、東京等の一部の区域に限り、待機児童解消までの一時的措置として、居室の面積に関する規定は「標準」とする、とした。

 

自由と平等との矛盾を憲法の原理でつなぐ

 この国基準の条例委任をめぐっては、大体、この三つの基準設定によって決着がついて来ているようである。もちろん結論が出ないと何とも言えないが、国や利害関係団体のナショナルミニマムや国基準設定の意向と、国からの自治体の自由度を拡大しようとする「地域主権派」とのせめぎあいは、むしろ「ひもつき補助金の一括交付金化」の舞台に移りつつある。

 地域主権戦略会議には四つの検討課題が置かれ、それぞれに担当主査が指名されている。「義務づけ・枠付け等の見なおし」については小早川光郎東京大学大学院教授、「基礎自治体への権限移譲」では前田正子横浜市国際協力協会理事長(前副市長)、「一括交付金化」では神野直彦関西学院大学教授、「出先機関の抜本的改革」は北川正恭早稲田大学教授である。

これらのうち「一括交付金化」については、318日に各府省の副大臣や政務官のヒアリングを神野主査を中心に行っている。各府省ともこれには抵抗が強い。「使途に一定の縛りがないと国の政策目的は果たせない」(農水省)、「使途にまったく制約を設けないことはあり得ない」(国土交通省)、「保育や介護などの重大な施策は、中央集権的な方法の方が短期的にはなじむ」(厚労省)など(以上は『自治日報』10326日号)。

この構図は、施設等の国基準の自治体条例への委任でも見られたのは先にみたとおりである。われわれは自治体の自由度を高める自由原理尊重の方向への改革と、全ての国民がどこにいても平等な権利を保障されるべきと言う平等原理尊重の方向の対立という矛盾を解くことが求められている。

基礎的自治体への権限移譲でも、同じような問題がある。どの自治体にも同じ権限を与え、そのために基礎自治体のスケール自体をそれに合わせて拡大するという方向と、現状から見てその規模や財政力に応じて、多様な権限を装備した多様な自治体を考えるという選択の自由を優先する考え方が交錯する。

つまり自治と分権を実現するためには、自治体の国からの自由度を高め、住民が自己決定できる領域を拡大することが必要である、という我々のスタンスを堅持しながら、住民の基本的な生活保障を平等に実現することが求められているのである。このことは実は、先に見たとおり、自治体が自律的に憲法原理を地域で実現できるかどうかということが問われていることも意味する。それぞれの自治体は、このような矛盾した原理を「共に実現できる」ようなローカルスタンダードを、各個別施策ごとに設定する能力が今まで以上に求められているのである。

 

国と地方の協議の場の法制化

 ところで、先に見た地域主権改革関連法のもう一つは、「国と地方の協議の場に関する法律案」である。これは地方6団体が、先の総選挙の際に各党に対して求めた懸案事項で、民主党は総選挙直前のマニフェスト確定の際に、急遽盛り込んだものである。

 この法案は、まずその目的で「国と地方の協議の場は、地方自治に影響を及ぼす国の政策の企画及び立案並びに実施について、関係各大臣並びに都道府県知事、都道府県議会の議長、市長、市議会の議長、町村長及び町村議会の議長の連合組織の代表者が協議を行い、もって地域主権改革(内閣府設置法第4条第3号の3に規定する地域主権改革をいう。)の推進並びに国及び地方公共団体の政策の効果的かつ効率的な推進を図ること」を定めている。

 この条項は第一に、国と地方6団体との間で「地方自治に影響を及ぼす」国の政策について協議することを定めている。第二に、その協議の範囲は、「企画及び立案並びに実施」についてとしている。そして第三に、その協議によって先に見た「憲法の理念の下」進められる地域主権改革と国と地方の施策の効果的、効率的な推進を図る、とする。

 その上で、協議の場のメンバーは国の側からは、内閣官房長官、地域主権改革担当大臣、総務大臣、財務大臣、及び総理大臣が指名するその他の大臣とされている。地方6団体からは各団体からの代表6人。議長及び議長代行は国のメンバーのうち総理が指名する者。副議長は地方からの互選。総理大臣は、いつでも協議の場に出席し発言することができる。

 協議の対象は、第一に国と地方の役割分担に関する事項、第二に地方行財政・地方税制その他の地方自治に関する事項、第三に経済財政政策、社会保障政策、教育政策、社会資本整備に関する政策、その他の国の政策で地方自治に影響を及ぼすと考えられるもの、である。

 招集は内閣総理大臣が行うが、議員もまた協議する必要があると思料するときは総理大臣に招集を求めることができる。議長は分科会を開催し、特定の事項に関する調査及び検討を行わせることができる。議長は必要な資料の提出を関係行政機関の長、地方公共団体の長などに求めることができる。

 議長は、協議の場の終了後遅滞なく、協議の概要を記載した報告書を国会に提出しなければならない。協議の場に参加した者は、その協議の結果を尊重しなければならない。協議の場の運営に関する経費は政府及び全国的連合組織の負担とする。

 

実質的に「協議の場」を動かすべき

 この「国と地方の協議の場」の法制化についてはいくつか特色がある。その最大のものは、この法案が内閣府におかれた「国と地方の協議の場実務検討グループ」で218日まで三回にわたって検討されてきた、その検討過程にある。このグループは、国側が松井官房副長官、瀧野官房副長官、逢坂総理補佐官、津村内閣府政務官、小川総務政務官である。一方の地方側は山田京都府知事、倉田池田市長、古木山口県和木町長、である。ここで原案を叩きながら修正を加え、合意を形成するという過程を踏んでいる。このことをまず評価しておきたい。

たとえば、政策の企画や立案段階からの協議は、地方側の主張で入ったものである。それまでに地方側は14項目について申し入れをし、いずれも取り入れられているとしている。山田啓司京都府知事は次のように言っている(第3回会合議事要旨、http://www.cao.go.jp/chiiki-shuken/bahousei/kentogdai03/03youshi.html)。

「逢坂補佐官を中心に従来のように政府案にこだわることなく柔軟に対応をしていただき、心から感謝を申し上げたい。その上でいくつかの意見を申し上げたい。まず1の「目的」規定については、国の政策の企画及び立案段階から協議の場を行うことが明確にされたことは画期的であり、大変評価しているし、心から歓迎申し上げたい。」

 なお山田知事は0911月に全国知事会が設けた「国と地方の協議の場法制化プロジェクトチーム」のリーダーである。

 実質的にはこの実務検討グループの作業が、「国と地方の協議の場」のトライアルとなっている。法律成立は少し先になるが、「一括交付金化」や「義務づけ・枠付け」、「市町村への権限移譲」など重要案件については実質的な協議ができるような工夫があっていいのではないかと思う。逢坂誠二さんも34日のブログで、「6月下旬をめどに、地域主権戦略大綱を策定することとしていますので、それまでの間、地域主権戦略会議を最低でも5回、さらに国と地方の協議の場を2回、これだけの回数を予定しています。」と書いているから、その議論をフォローしていくこととしたい。

 

権限移譲に消極的な第一次回答を超えて

 10331日の第3回地域主権戦略会議では、市町村への権限移譲と義務づけ・枠付けの見なおしについて各府省からの回答が報告された。その消極姿勢には各委員と閣内からも批判が続出している。

 市町村への権限移譲では、地方分権推進委員会(丹羽委員長)の第一次勧告(2008528日)で指摘された384条項のうち、96条項だけが勧告通り移管とされ、検討項目の25%にとどまった。特に農水省と環境省はゼロ回答。土地区画整理事業(50ha超)の都市計画決定、保健所の設置市への薬局の開設許可、電子レンジなど家庭用品販売業者への立ち入り検査権、NPO法人の認可権を政令指定都市になど。

 ただ義務づけ・枠付けの見直し(第二次)では、条例委任、国による許可等の緩和、計画義務づけの廃止の3類型で751条項の見直し対象のうち、半数を超える472条項について見直すとしている(以上は内閣府ホームページの「地域主権戦略会議」から)。公民館運営審議会の委員の資格要件を市町村条例に、町村が福祉事務所を設ける際の知事同意の廃止など。今国会に提出されている地域主権推進一括法では36条項だけだったので、大幅な前進である。しかし、橋下大阪府知事からは「保育所など福祉施設の基準、学校の設置基準など制度の根幹部分に踏み込んでいない」とする資料が提出されているなど、内容の精査が必要である。(41日の朝日新聞朝刊)。

 地方分権推進委員会の勧告は、行政レベルでは限界がある領域での検討を、政府とは相対的に自由に勧告したものだった(大森彌「地方分権改革推進委員会を検証する」三重県政策部企画室『地域政策』34号)。言い換えれば、政治的に決断すべきマターがその大部分を占めるもののため、自公政権では実施が不可能であり、委員会の言いっぱなしの可能性が高かったものである。これが政権交代で、政治主導の地域主権改革推進でどこまで進むか。6月末の地域主権改革大綱までの詰めが注目される。

 

 

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