1 自治事務に関して
1)技術的助言・勧告、報告徴収
報告徴収基準で必要なものは通達によらず法令(告示)に定める法令の解釈を示すことができる
2)事前協議、合意(又は同意)
合意を要するものとして例外を限定列挙
国の税制上の措置等に係わる計画(山村振興計画、地方拠点都市など7本)
その他個別法で(土地利用基本計画、農業振興地域の指定基準など11本)
3)是正措置要求(法令違反、著しく不適正かつ明らかに公益を害している場合)
指示(災害発生防止のための高圧ガスの取り締まり、森林病害虫の駆除など16本)
2 法定受託事務に関して
1)技術的助言・勧告、報告徴収
2)事前協議
3)許可・認可・承認
4)指示 法令等の解釈に関する一般的な指示も
5)代執行 裁判所又は第三者機関に裁判又は最低を求めてから
3 国と地方公共団体との間の紛争処理機関
「 対等・協力を基本とする国と地方公共団体との間で万が一紛争を生じた場合には、国が優越的な立場に立つことを前提とした方法によりその解決をはかるのではなく、国と地方公共団体の新しい関係にふわしい仕組みによって係争を処理することが必要となる。この仕組みは、地方公共団体に対する国の関与の適正の確保を手続き面で担保するものであると同時に、地方公共団体が処理する事務の執行段階における国・地方公共団体間の権限配分を確定するという意義をも有するものであるから、対等・協力の関係にある国と地方の間に立ち、公平・中立にその任務を果たす審判者としての第三者機関が組み込まれているものであることが必要である。」
(1)〇〇〇に第三者機関として国地方紛争処理委員会を置く
(2)会長、委員、は常置。必要に応じて専門調査員
(3)庶務担当職員
(4)対象は技術的助言、勧告等を除く国の関与
(5)審査及び勧告
(6)審査申出人は国、地方から
(7)市町村に対する都道府県の関与については自治紛争調停制度を活用
(8)国は地方公共団体が指示、是正措置要求に従わないとき申し出でができる
(9)審査手続きは行政不服審査法
(10)勧告又は通告
(11)法定受託事務の代執行は現行制度に準じる(係争処理員会の審査。勧告の対象外)
(12)職権による調停
(13)訴訟の提起 地方公共団体の長による不服の訴え(関与の取り消し等)
国の行政機関の長による違法確認の訴え
(14)機関訴訟の一として行政事件訴訟法による
(15)地方公共団体の区域を管轄する高等裁判所から
(16)条例の違法審査の仕組み
4 具体的な事務に即して考えてみると
(1)職安法第11条(市町村長の職務) 法定受託事務に整理
市町村長は、公共職業安定所長の指示に従い、左の事務を行う。
一 公共職業安定所に直接申し込むことのできない求人又は求職の申し込みについて、これを公共職業安定所に取り次ぐこと。
三 公共職業安定所からの求人又は求職に関する通報について、これを知値周知させること。
(2)準用河川の管理 市町村の自治事務として整理(第一次勧告)
河川法100条、「一級河川、二級河川以外の河川で市町村長が指定したしたものについては、この法律中二級河川のに関する規定を準用する。施行令56条、57条
(3)悪臭防止法、振動規制法、水質汚濁防止法の改善命令等 市町村の自治事務として整理
5 市町村と分権改革
(1)市町村での機関委任事務の自治事務化を
- 条例による規制
- 住民参画による自治事務の構築 都市計画、公園、都市施設、福祉サービス、環境行政と公害規制
- 料金徴収における自治
- 雇用労働行政
(2)同時に府県における機関委任事務の自治事務化(土地利用基本計画の策定、農業振興地域の指定、保安林の指定、地域森林計画の樹立、林地開発許可、都市計画区域の指定、など)を推進する共同責任を担うこと
- 具体的に市町村に対する県の「指導と命令の関係」を改めるための制度改正に向けた提言と協議を
(3)次の段階として府県の権限を市町村の自治事務に(小規模町村の課題)
府県と市町村関係も対等・協力関係となる。
(4)法定受託事務の自治事務化を進めること
(5)そして内なる分権化(例えば)
小学校区と中学校区
地域のテーマの明確化と優先順位
住民組織、農協や生協などNPOの連携、住民事業への支援
事務事業の整理と再構築
企画機能の確立(調査、研究部門の再編成)
法制部局の自立、強化(解釈権の確立、自主立法能力の強化)
情報公開と住民参加(住民の知らない保健福祉計画)
議会事務局の強化
6 府県と分権改革
(1)機関委任事務制度廃止で府県が最も大きい影響を受ける
(2)700件以上が自治事務となる 府県は初めて自治体になる可能性を得た
(3)市町村との関係も対等・平等に
(4)中間機関から行政責任を果たしうる自己統治組織に
(5)県民が主体
7 国庫補助負担金の整理合理化と地方税財源の充実確保
(1)国と地方の財政関係の基本的見直しの方向と地方経費のあり方
(2)国庫補助負担金の整理合理化
(3)地方税源の充実確保
(4)地方交付税の改革
(5)地方債の許可制度の廃止
起債許可制限比率および地方財政再建促進法に代わるもの
地方債資金の確保に向けて
8 都道府県と市町村の新しい関係
役割分担を明確化し、対等・協力の関係を新たに構築
(1)市町村優先
(2)関与は最小限に
9 地方公共団体の行政体制の課題
「地方分権の推進は、地方公共団体の自己決定権を拡充する。そして、自己決定権の拡充は、必然的に自己責任の拡大を伴うことになる。地方公共団体の議会の議員及び首長、並びに地方公共団体の住民は、このことを明確に自覚し、この新たな役割を担うに相応しい地方公共団体の行政体制の整備確立に勤めるべき責務を有する。」
(1)行政改革の推進 行政改革大綱の策定と数値目標の設定
(2)定員管理、給与の適正化
(3)人事交流、育成
(4)住民への情報提供
(5)市町村合併と広域行政の推進
「地方分権の効果を偏く全土に浸透させるためには、基礎的地方公共団体である市町村の行財政能力の充実強化が不可欠である。そのためには、市町村の規模の拡大や能力の向上も重要な課題であり、市町村の自主的合併を一層強力に推進する必要がある。」
(6)地方議会の活性化
(7)住民参加の拡大・強化
(8)公正の確保と透明性の向上
10 地方分権大綱(機関委任事務の廃止後における地方公共団体の事務のあり方及び一連の関連する制度のあり方につての大綱 97年12月24日 自治省)
地方分権推進計画の作成及び関係省庁における所管法令の改正作業に資するため、自治省として、機関委任事務制度の廃止後の事務のあり方等について、地方分権推進委員会の勧告に即してとりまとめたもの。
- 法定受託事務も地方公共団体の事務として明確に整理
- 勧告との違い 国地方紛争の紛争処理手続き
11 おわりに
(1)自治事務化を実のあるものにすることが主たる課題となる
(2)市町村への権限委譲の推進
(3)国庫補助金改革を進める
(4)税財源移譲の主張の強化
(5)中央省庁の再編
(6)分権は現場から